コードバンで作成


目を疑う程ボロボロのホワイトハウスコックスの財布です。

 

 

 

 

 


後面も同様にボロボロ。

 

 

 

 


外面は全体的にボロボロです。

 

 

 

 


折り曲げ部はボロボロというよりも擦り切れて存在しない状態。

 

 

 

 


反対側は折り曲げ部だけでなく外周全体が擦り切れていてボロボロ。

 

 

 

 


内布もボロボロ。
限界を超えるまで活用されています。

 

 

 

 


内部材を見て、ようやく財布とわかる状態です。
外面の状態から比べるとましですが内部材も十分にボロボロです。

内側に折り返した外面革を見ると外面はネイビー色の革だったようです。

 

 

 

 


折り曲げ部は内部材も擦り切れて欠損していますので縫製できない状態。

 

 

 

 


ホックは青錆が見られ汚れや変形は全体に見られます。

 

 

 

 

 


バラバラに解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 

 


外面は黒い革と比較しても黒いです。
擦れた表皮に汚れや手垢などが染み込んで黒くなっています。

 

 

 

 


ホワイトハウスコックスはブライドルレザーと呼ばれる牛革ですが、
今回はネイビーの馬の尻革(コードバン)で外面革を作成するご依頼です。

世界的にトラクターなどが普及して農耕馬が減少したこともあり、
コードバンは革のダイヤモンドと呼ばれるくらい貴重な素材になっています。

 

 

 

 

 

 


小銭入れの内張り革や内布を作成交換してリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 

 


各部に強化加工を施しながら丈夫に組み立て直していますので、
丁寧に活用しながら少しずつ馴染ませて育てていく必要があります。

 

 

 


革の繊維が緻密で牛革の5倍の強度があると言われるコードバンですが、
良い状態のまま風合いを増していくにはお手入れは必要。

 

 

 


財布と認識するのに少し時間がかかるほどの状態でしたが、
活用いただける状態に復活しました。

上手に育て上げていただき数年後に雰囲気の増した姿を見れると嬉しいです。
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
本日受け取りました。

最初箱を開けると白っぽく見えてまさかのナチュラルで外側を再生させたのかと驚き、
パッキン包装にさらに茶紙で包装された紙を外すと、
レザークリエーション製の別次元のネイビーのコードバンの
三つ折りの元ホワイトハウスコックスの財布がありました。
開けると新品の様に輝く見慣れたというか、若返った馴染みの財布がありました。
ありがとうの言葉では感謝を伝えきれない感情が湧き上がって、
凄く嬉しくて、ただ、ただ、テンションが上がりまくってました。

震災の後、自主避難して夢中で大阪で暮らしていた時に一緒でボロボロの財布が、
大阪の職人さんの手で、まだまだやれるし、ちゃんと育ててくれよな?そして、お前もな。
今度はあそこまでボロボロは勘弁な。って言われたような、
立ち直りきれてない自分に、喝を入れられた感じです。

この素敵な宝物と一緒にまた年を重ねていけることに尽力いただいた
レザークリエーションに感謝です。
もちろん、ほんの気持ちもありがたく頂戴致します。
素敵でスキがない感じです。
財布ともども大切にします。
言葉に出来ない想いって本当にあるんですね。
やっとバトンタッチ出来ます。

福島県 S 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
多用する財布の汚れや擦れは避けられませんが、
構造的には丈夫に仕上げていますので、
丁寧に取り扱いながら長く活用ください。