VUITTON NIL M45244です。
ショルダー付け根やループの素材がヌメ革ではなくモノグラム地で作成されています。
また、現行商品のような底角に半円のヌメ革ワッペンのないシンプルなデザインです。
この当時のヴィトン製品は驚くほど頑丈でメンテナンスさえしていれば一生ものです。
しかし、素材や作りが変更された古いモデルですのでヴィトン直営店では修理してもらえず、
当社にご依頼いただきました。
パイピング革の角は擦れて穴が空き中の芯材が見えています。
この程度は定番の修理個所で30年前後経過していますから仕方ありません。![]()
驚きました!後ろ面のパイピングは芯材がほとんど、むき出し状態です。![]()
通常の使用で擦り切れて芯材が出てきたのではなく革が劣化してボロボロになったようです。![]()
バッグをバラバラに解体して、新しくパイピングを作成するしかありません。
ファスナーも使い込んで穴が空いています。
ショルダー付け根ですがヴィトン刻印入りカシメ金具が錆ついて、角菅金具はメッキがはげています。![]()
当時のヴィトンは当然のように内張りを本革で作成していました。
このバッグのような品質で商品を作り続けるのは困難だと理解できる部分もあるのですが・・・
素材や技術の維持コストを考えると現行商品の2倍以上の定価になってしまいそうです。
やはりブランドバッグの品質ダウンは仕方ないのでしょうか?
外側のパイピング革があれだけボロボロですから覚悟していましたが・・・・
年数を考えると仕方ないですね!
購入当時に油性マジックで書かれたのでしょうか?
ボールペン汚れは各部に沢山あります。
一目づつ各部の糸を切りながら解体していきます。
ほとんどバラバラになりました!
画像は綺麗に清掃した後ですが、糸くずやホコリが山もり出てきました。
ゴホッ!
ショルダー穴のアイレット金具です。金色のメッキはなくなり錆びています。
取り外してみますと金具の下はサビだらけでした。![]()
ヴィトンでは、この当時の短い期間だけ、なぜかメッキの金具が使用されていました。
錆ついて変色した刻印入りカシメは真鍮素材ですから磨くと光ます。
しかし、メッキ金具は磨くとメッキが剥がれてしまい金色に輝くことはありません。![]()
30年経過してもビクともしていないモノグラム地のショルダー付け根部材ですが、
これから、もう30年使用出来るように裏側から補強加工して組み立てます。
ショルダー取り付け部のマチもモノグラム地をめくり上げて補強加工しておきます!(やりすぎです!)
ファスナーを縫い付けてある部分ですが亀裂がありますので、この部分も補強再生加工します。
(同じようにファスナーエンドは4か所すべて加工します。)![]()
ほら!金色の金具と並べると歴然でしょ!
購入当時に戻ったように光り輝いています。
見た目は購入当時ですが各部に補強加工していますので購入当時より頑丈です。![]()
内張りです。
ヤブレや汚れ・ボールペンにマジックのMも消えてなくなりました。
当然、裏返して取り付けるのですが内側で見えなくなる部分には多数の補強加工を施しています。
外周ファスナーも2か所とも新品交換しました。
一番上の画像と比較すると30歳若返った感じですね!
このようなバッグが本来のヴィトンです。
現在のヴィトンも昔の本来のヴィトンを手本に製品作りをして感動を与えるブランドでいてほしいです。
今のところ2度と新品では手に出来ない最高品質のヴィトンです。
大切にご使用ください。
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