Whitehouse-Cox 財布です。
20年近く愛用されてきたようで各部に、
ホツレ・擦り切れ・破れ・汚れ・色落ち・型崩れ・・・フルコースでダメージがあります。
内側の状態です。
折り曲げ部は糸がホツレ、革が擦り切れているようです。
この辺りは革が切り取られたように深く擦り切れて欠損しています。
この辺りも同様に。。。
カードポケットの傷は深いです。
カードポケットの後ろ側のポケットは内張りが大きく破れています。
小銭入れもスレスレ状態ですが、後側にポケットがあります。
小銭入れの後ろ側のポケットも内張りが大きく破れています。
札入れにも破れが見られます。
小銭入れのマチも内張りが擦り切れています。
もっと軽症な内にメンテナンスを繰り返し良い状態を保ちながら愛用されるのがベストですが、
ここまで頑張ってくれると手放せなくなる気持ちがよくわかります。
まずは、解体することからスタートです。
傷みやすい小銭入れの内張りは全て本革仕様に変更します。
馬具や英国軍のアイテムを作成してきたメーカーだからでしょうか?
接着剤の塗り方が雑すぎます。
通常はステッチより外側の1~2ミリ程度の部分に接着剤をしようするのですが・・・
子供の工作のような接着剤の使い方は大胆過ぎます。
破れなどは見られませんが内張りの布部分は全交換する方が良さそうです。
ポケットに入れる物の事など気にせずに、
これくらい雑にボンドを塗れたら集中力や根気も必要なくなって楽でしょうねぇ~
きっと、日本って細かすぎるんです。うらやましぃイングランドの大胆さ。
全ての革パーツを解体して汚れを取り除いてみました。
傷や色落ち具合が鮮明に浮き上がりました。
カードポケットの内張りも全て交換します。
革パーツも全て作り替えれば作業的には楽なんですが、
20年近く愛用されてきた財布とは別物になってしまいます。
革パーツは作り変えることなく、全てのパーツに強化加工を施し、
補修補色加工で一つ一つ仕上げて組み立て直します。
元通りに組み立て直しリニューアルリペア加工の完成です。
小銭入れの内張りは全て本革仕様になり高級感と耐久性を高めています。
当然、外面も20年近く愛用されてきた素材のままです。
擦り切れて破れた部分や欠損した部分も復元強化加工で再生しています。
外面からは見えませんが全パーツの縫い合わせ部には強化加工を施してありますので、
頑丈さは新品時以上になっています。
使用を続ける限界を超えた状態でしたが安心してご使用いただけるように復活しました。
大切に使用していても汚れや傷は避けようがありません。
重傷になる前にメンテナンスを繰り返す方が良い状態を保ちながら長く愛用でき、
結果的に安上がりになります。
大切にご使用ください。
(余談です・・・)
「暇なのか?」「趣味なのか?」「馬鹿なのか?」・・・という声もあるリニューアルリペア。
ファスナー交換を10本する方が「手早く」・「簡単」・「利益も出ます」
そんなことは充分に本人が承知しています。
(修理のお問い合わ時のメールを紹介させていただきます。)
有限会社 レザークリエーション様
初めまして。
先日20数年ぶりの同窓会に参加し、
物にこだわりを持っている同窓生と会い、
20年近く前に購入しました財布を見せたところ
こちらでの修理を薦められました。
HPに掲載されているような高価な品ではありませんが、
付き合いが長く、とても愛着があるので
修理のお見積もりをお願い致したく、
近々現品をお送りしますので
よろしくお願い致します。
*お問い合わせ時の文面から当社がリニューアルリペアをご提案した意図を
ご推察いただけると幸いです。
当社のホームページは「大切なブランドバッグ」や「大切なブランド財布」で検索できます。
買い換えることのできない大切なバッグや財布を使い続けるために
当社のリニューアルリペア加工は存在します。
ビジネスとして成立しにくい内容だけに積極的には承れない加工ですが、
今回の財布のように買い換えることのできない大切な品のみご相談を承ります。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索