モラビトといえばクロコなど爬虫類素材を連想される方が多いですが、
こちらは牛革素材のハンドバッグです。
持ち手を取り付けるために丸いカシメ金具が少し右に傾いて付いています。
持ち手を貫通している足部分が圧縮されて潰れることで抜けなくなるのですが、
正確にかしめなければ足部分が曲がってしまい丈夫に取り付けできません。
また、潰れる足部の強度不足やメッキ加工の影響で足が折れてしまうことも。
それなりのコツが必要で品質も重要なのがカシメ金具なんです。
こちらは持ち手の裏側で凸凹あるカシメ金具の凹側です。
凸側の足がかしめられて潰された跡が表面にまで出てきています。
カシメを取り付ける作業自体は一瞬なんですが熟練した職人でも失敗することがあります。
失敗したらやり直したいのは山々ですが取り付けは一瞬でも、
失敗したカシメ金具を取外すのは何倍もの時間がかかり、
何より取り外す作業は無理やりなので革に損傷を与えるリスクがあります。
当社では毎日のようにカシメ金具を取り除く作業をしていますし、
取り外した金具を再生して再利用する事まで日常茶飯事ですが、
量産品だと少しくらい歪んでいても見て見ぬふりしたい気持ちは理解できます。
4箇所全ての凹側カシメ金具は同じようなカシメ傷が露出しています。
表面に傷が出るような取り付けは論外ですが、足折れも発生していますので、
今回は丈夫な金具に交換します。
2度と取れないようにとのご要望でしたので再生加工ではなく、
信頼度の高い金具に交換しました。
外観からは見えない足の部分が通常のカシメと強度や構造が違います。
持ち手の革がボロボロになって切れない限りは外れないカシメ金具です。
今回のように足折れで抜け落ちる心配はありませんので、
安心してご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索