最高級のロック金具が使用されていますが表面はメッキが剥がれているようです。
メッキのハガレをカモフラージュするために塗料で補修した跡も見られます。
機能的には良好な状態なんですが・・・・
カブセの凸側金具にはvalextraのロゴマークがありますが、
気にしないので代用の金具に交換しても構わないと、ご依頼をいただきました。
確かに代用の金具に付け替えてしまう方が簡単で手っ取り早いのですが・・・
ロック金具の取り付け部の裏側もしっかりした固定で高級感があります。
代用金具に付け替えると革のワッペンを作成して本体の取り付け穴を塞ぐしか・・・
金具の再生はリスクも高くコストも掛かり技術も必要です。
加工価格の事も有りご依頼内容に甘えさせていただこうかと・・・・
代用品のロック金具を購入してみました。
イタリー金具で安物ではありませんが元々の金具と比べると・・・・
壊れていない高品質なロック金具を代用のロックに交換していいのか?
本体に革ワッペンを縫い付けて穴を塞いでデザインも変わってしまいますし、
2度と元に戻せないので踏ん切りがつきませ~ん。
2度とメッキが剥がれないように真鍮の無垢材のロックを希望されています。
取り外した金具を分解してメッキを剥がし取りました。
取り付けや取り外しも困難なロック金具ですが分解までしてると不思議に感じる
修理業者様も多いのではないでしょうか?
通常は分解は不可能です。
メッキは美しさだけでなく表面の硬度が硬くなるメリットがありますが、
剥がれてしまうデメリットがあります。
すべてのメッキを剥がしとると、ご依頼の真鍮無垢材でした。
組み立てられるかどうか心配ですが・・・・・
valextraのロック金具を変更することなく真鍮の無垢材仕上げで完了です。
再メッキ加工でピカピカに再生したり代用ロック金具に仕様変更する方が簡単でしたが、
とても良い状態のバッグでしたので失敗を覚悟しながら頑張ってみました。
一番手間のかかる加工になりましたが、
メッキで化粧されていない無垢材ですので真鍮磨きクロスなどで、
時々、磨きながら使用されると良い状態が保てます。
いくら磨いてもメッキのように剥がれることはありませんので、
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索