伸び縮みが大きく繊維が荒い床革に表面化粧された素材ですので、
擦れに弱く塗装が剥がれやすいです。
染め込まれた革でなく表面だけに塗装した素材ですし、
繊維が荒く耐久性の低い床革となると良い状態を保ちながら使用するのは
難しいのが現実です。
肩に擦れるショルダーベルトは塗装の剥がれた部分のほうが多いほど重症。
アップで見ると銀面と呼ばれる本革の表皮がなく、
革の繊維が荒い事がわかります。
動物の毛孔がある表皮部(本革部)を取り除かれた皮下層部が床革になります。
荒い繊維の床革を補色するのはフェルト素材に塗装するようなもので、
表面を整える加工を施さなければ塗料を吸い込むだけで、
発色しません。
床革素材であることに変わりありませんので、
少しでも長く良い状態を保てるようにコーティング加工も施しました。
床革の繊維の毛羽立ちが激しかった底角も表皮を整えて補色しています。
補修補色加工やクリーニングで床革素材が頑丈になる事はありません。
良い状態を保ち続けるには素材の特性を理解して丁寧に取り扱うことと、
重症化する前にメンテナンスするのが最善です。
残念すぎる状態でしたが活用いただける状態に復活しましたので、
大切にご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
ご担当者さま
先ほど鞄を無事受け取りました。
色が剥がれ恥ずかしくて使えなかった鞄ですが
綺麗にしていただき、また使うことができます。
ありがとうございました。
現在は受注停止されているようですが、
また機会がございましたらよろしくお願いいたします。
大阪府 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
残念な状態まで酷使されていましたが、
お気に入りのバッグだと使用頻度が増えて、
損傷が激しくなるものです。
お気に入りのバッグに出会えることは多くありませんので、
丁寧に取り扱いながら大切にご愛用ください。