使い込まれたエルメスの長財布とコインケースです。
ボックスカーフの「揉みシワ模様」が消えるほど活用されています。
中央部や折り曲げ部は表皮が剥がれて劣化が重傷です。
丈夫なボックスカーフですが革の表皮が欠損して繊維が毛羽立っています。
傷や汚れはありますが内部材は外面よりは良好な状態ですので、
傷みが激しい外面のボックスカーフを張替交換しながら復活させます。
外面革に張り合わされた内側の革には刻印があり別の革に交換できません。
薄い革ですので慎重に分解して再利用します。
ちなみに刻印から2001年に製造された財布のようです。
ボックスカーフには揉みシワ模様が消えて外周もスレスレ。
製造年数を考えると丈夫な財布です。
コインケースはカブセ折り曲げ部がほつれてマチ部材が外れています。
カブセで隠れない部分は型押し模様が消えてしまうほど使用されています。
折り曲げ部など各部にホツレや擦れが見られます。
底角部は革が擦り切れて欠損しています。
カブセ天部は札入れ同様に劣化が見られます。
傷みが激しいコインケースですので、このまま放置する予定でしたが、
このままでは汚れや湿気を吸い込みやすく急激に劣化が重症化してしまいます。
少し手を加えて劣化のスピードが遅まるように加工します。
革巻きホックは革が擦り切れて無くなり金具が露出。
コインケースは折り曲げ部の強化を中心に各部のホツレやコバ仕上げをします。
解体して外面革を取り外しました。
全ての縫製糸を取り除いたあと革の汚れを取り除くと内部材も擦れが見られます。
コインケースの中は小銭のベタベタ汚れが全体に付着しています。
折り曲げ部を強化する予定ですがカブセ全体を解体。
コインケースも汚れを取り除くと擦れ具合が鮮明です。
カブセの開閉で指先が当たる部分もスレスレ。
底角の欠損部も擦れが見られます。
折り曲げ部は革が擦り切れて欠損が見られますの復元強化加工を施します。
カブセ全体を解体したのは天部の劣化した部分の裏側に、
強化芯材を張り合わせて耐久性を高めたかったためです。
長財布のリニューアルリペアとコインケースの加工の完了です。
革巻きホックも復活して折り曲げ部の強化加工とコバ仕上げの完了です。
ホツレもなくなり内側のベタベタ汚れも綺麗にしました。
長財布のリニューアルリペア加工も完了です。
全て縫い直してホツレはなくなり擦れなども改善しています。
エルメスご用達のディユプイ社のボックスカーフを使用して外面も復活。
これまで、十分に頑張ってくれた長財布とコインケースでしたが、
もうひと頑張りしてくれる状態に復活しました。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション御中
御礼が遅くなり申し訳ございません。
出張から帰り手にしました。
実はたまたま出張先でブログをみたところ
なんとわたくしがお世話になった財布とコインケースがアップされており
もうホームページ見ただけでテンションがあがってしまいました笑
実際に手に取らせていただきますとわかりますが
丁寧に加工していただいたのが凄く伝わります。
もったいなくて、使いづらい笑
そのくらい、丁寧な仕上げありがとうございました。
大事にしたいと思います。
本当にありがとうございました。
東京都 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
まだまだ、活躍してくれる状態に復活しましたので、
大切にご愛用ください。