ルイヴィトンのモノグラム財布(M61207)です。
ファスナーが大きく裂けています。
瞬間接着剤を使用した素人修理で布部が溶けたようです。
マチ部材も裂けてしまった部分を折り返して瞬間接着剤を使用されています。
それだけでは不安だったのか針と糸を持ち出してカガリ留めまで・・・・
解体してカガリ縫いしていませんのでモノグラム地まで糸が貫通しています。
カガリ縫いされた部分をほどくと大きく裂けていることがわかります。
瞬間接着剤を使用した部分は表皮が剥がれるだけでなく、
革が硬化してしまいます。
製造から17年近く経過した財布ですので、
折り曲げ部はホツレだけでなく擦り切れ欠損が見られます。
反対側も同様に。。。。
丁寧に使用されていますが内部材にも擦れが見られます。
合成皮革の内張りは劣化していますので本革で張替交換します。
擦れやすい角部はコバ面の剥がれだけでなく変形も・・・・
今回はリニューアルリペア加工のご依頼ですのでバラバラ。
小銭入れのファスナーも取り外しました。
このタイプのファスナー交換は難易度が高く断られる修理店も多いです。
瞬間接着剤によるダメージは出来る限り目立たないようにしてみます。
ベロ革の折り曲げ部も擦れやすく糸が擦り切れています。
ベロ革も取り外して強化芯材を入れ込み縫い直します。
くすんだホック金具も磨き直してリニューアルリペア加工の完了です。
折り曲げ部など各部に強化加工を施しています。
ファスナー交換も完了。
小銭入れの擦れ部も綺麗になりました。
ヤブレ部を再生しながら瞬間接着剤の跡も出来る限り改善させました。
ベタ付き劣化しないように合成皮革の内張りは本革仕様になり、
安心して使用いただけます。
素人修理で改善することはなく取り返しがつかない状態に悪化させてしまうことが、
多いです。
どのような加工を施すよりも丁寧に活用することが良い状態を保つ最善策ですので、
引き続き丁寧に取り扱いながら長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索