ヴィトンのカバアルト(M51152)です。
(すでに廃番モデルですが高品質なバッグとしては最終モデルかな?)
かなり、お疲れモードな様子が全体からあふれ出しています。
持ち手の付け根革です。
長年がんばった感がにじみ出ています。
ショルダーベルトも古木のようで硬化しています。
底マチの三角デザインの革はカバ系バッグの特徴ですね!
火事の焼け跡から出てきたような状態ですがモノグラム地は良好です。
外面のヌメ革パーツは全て取り外して新品作成します。
底板の芯材も全て変形していましたので予定外ですが交換するために取り除きました。
革パーツや底板などを取り除かれるとバッグのモデルがなんなのかわからないでしょ!
カバピアノやカバメゾと比べると旅行にも充分使えるほど、かなり大きなバッグです。
底角部分には補強材が張り合わせてありましたが、役に立っていない強度ですので、やり直します。
底角ぐらいは強化しておきたいという気持ちだけは伝わってきましたが・・・・残念!
ショルダー付け根革の縫い付け部には亀裂を発見です。
このような損傷も見逃すことなく補強加工してパーツを付け直します。
パーツの作成ですがミシン針に糸が掛かってないので縫えていません。
いきなり縫い付けるのではなくステッチ穴を先に開けてから本体に取り付けます。
目打ち(千枚通し)で縫い穴をモノグラム地まで貫通させます。
見えないバッグの内側から針を縫い穴からずれない様に出してくるだけでもコツがいる作業です。
最高品質のヌメ革で作成しています。
写真を撮るのも大変なほど大きなサイズのトートバッグなんですが、各部に補強加工をしています。
ショルダーベルトや付け根革も作成時には補強材を挟み込んで作成しています。
付け根革縫い付け部のモノグラム地も補強加工していますので頑丈です。
*完成してしまうと表面からは見えない部分ばかりに手間暇を費やしていますが、とても重要なんです。
収益を上げるためには効率良く手抜き作業を施して、素材を品質ダウンさせても
気付かれなければOK!な物作りが主流(修理も同じ)の現代ですが、
当社では各部の強度・品質を新品時より上げながら加工を施し完成させています
沢山の荷物を詰め込んでも大丈夫ですので大切に長くご活用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索