ルイヴィトンのウィークエンドです。
古い物で状態は良いバッグですが、かなり前に廃番になったものです。
今回のリメイクは「こだわり」を具現化させるために最善を尽くすことに集中して作業させていただきます
構想が伝わりやすいように、このような画像を作成いただき、ご依頼をいただきました。
赤茶色の革は黒い革で作成し直し、前面に大きなポケットを追加加工します。
革が黒になるので金具はシルバー色にするのですが、純正パーツを再メッキ加工されます。
前ポケットを作成するために同じ品番のバッグをもう一つ解体してパーツにします。
前面のバッグがパーツ取り用にお送りいただいたバッグですが、
モノグラム地が縮んで波打ちがありバッグのフォルムまで変形しています。
最初にお送りいただいたバッグはポケットのモノグラム柄が本体と合っています。
前ポケット作成パーツとしてお送りいただいたバッグは柄が合っていません。
同じ品番のバッグでも作成された年代で素材や作りこみが違い、似て非なる仕様です。
とりあえずはバッグ2個分を全て解体しました。
上側がパーツ取りのバッグで、下側がリメイクする本体です。
使用するモノグラム地だけを比べても状態に大きな差があり合体させるのは困難です。
モノグラム柄を合わせて見ると革パーツを縫いつけていたステッチ跡が大きくずれています。
二つ目のバッグをお送りいただく前から、このような状態は推測できていましたので、
パーツ取りバッグとしては不向きだとアドバイスはさせていただいたのですが、
同じバッグ(実は似て非なるバッグ)を合体させて一つのバッグを作り上げる「こだわり」をお持ちでした。
モノグラム柄やステッチがずれてもいいので、同じバッグ2個でリメイクするとの「こだわり」です。
ヴィトンの刻印もなくシンプルな底ビョウなども再メッキ加工でシルバーに!
刻印のない金具は既成の代用パーツに交換される方が、かなり安上がりなんですが、
このような小さなパーツにまで妥協無く「こだわり」で全ての金具を再メッキ加工で仕上げます
作成したパーツを縫いつける部分には裏面から補強加工を施してあります。
完成すると見えなくなる部分ですが天部分にも補強加工を施し強度アップさせます。
組み立て工程に突入していくと、今度は当社の「こだわり」が随所に・・・・
持ち手はご依頼どうり原寸より短く作成します。(8㎝短く作成)
縫製されると見る事の出来ない裏面にまで表革を張り合わせ補強材を挟み込んでいます。
スーパーブランドでもやらない両面表側(ダブルフェイス)の贅沢な加工ですが当社の「こだわり」です。
「こだわり」リメイクの完成です!
古めかしさが無くなり現代版ウィークエンド改として甦りました
前面には大きなポケットが装着されました。
かなり苦労しましたがミシン目のズレの修正やモノグラム柄を合わせることにも成功しています。
リメイク跡が残ったりモノグラム柄が合わないなんてご了承いただいていても「こだわり」があり許せません!
作成した前面ポケットに付いていた小さなポケットも柄合わせしています!
どちらのポケットも内張りには本革を使用させていただいているのも「こだわり」です。
D金具も既成品ではなく純正パーツを再メッキして使用する贅沢な「こだわり」です。
付け根革の内側にも補強芯と本革を張り合わせて強度アップさせてあり頑丈です。
大きなフリーポケットを取り付けましたので、たわむ事もご了解いただいていましたが、
補強加工でスッキリと本体に沿うようになっています。
(かなり波打った素材で縮みもあり苦労した部分です)
刻印入りのファスナー引き手金具も当然再メッキ加工でシルバーに!
ファスナーも黒帯にシルバー金具ファスナーに交換。
最高級ファスナーを使用するのも当社の「こだわり」ですが開閉がスムーズです。
この記事の「こだわり」とは「熱意」です。
ご依頼当初から火傷しそうなほどの「熱意(こだわり)」を持ってご依頼くださいました。
「こだわり」を具現化するには作業を承る当社がわにも、
お応えできる「こだわり(技術)」がなければ「熱意」も「無理難題」に聞こえてしまいます。
作業に取りかかれば当社の「こだわり」を実践していくしかなく、何度も妥協しそうになりました。
戦意喪失するたびにメールのやり取りを読み返してご依頼主の熱意(こだわり)をエネルギーにして
作業させていただいています。
事前にお知らせしたネガティブな部分は全て解消して作成できましたが、
「たとえ柄が合わなくても、たるみが出ても構わない」と覚悟をいただいていたことに感謝です。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)