HERMES HerLineのトートバッグです。
大切にご使用されていますが、便利なバッグで使用頻度が高い為か、
全体的に表面がベタッと感じるほど黒ずんだ汚れがあります。
ホック周りやポケットの口周りなど茶色か黒かわからない部分も・・・・
前後面に3つ(計6か所)のポケットがありますが内側が劣化して剥がれています。
内側の大きなポケットも劣化しています。
劣化したコーティングを全て剥がし取ることも可能ですが、耐久性に疑問が出てきます。
今後も長くご使用になるために、劣化したポケット(計7か所)に本革で内張り作成します!
エールライントートやフールトゥなど布製のシンプルなバッグに見えるのですが・・・・
やはり、エルメスは複雑な構造で容易には解体や組み立ては出来ません!
当社では再生して付け直しできますのでHERMES刻印が入ったホックも一旦取り外しています。
(通常は再利用できないパーツです)
これはマチの部材で表面からは見えない部分ですが、少し劣化しています。
全体クリーニング完了です。
茶色のバッグだったことがわかります。
帯布が縫いつけられて汚れていなかった部分と色の差がなくなりました。
触った感じもサラっとしています。
解体・組み立てに困難を極めた修理ですが、完成しました! 疲れた~
ポケットの内張りは本革仕様です。
劣化の心配もなくなり強度もアップしていますので長くご使用いただけそうです。
前後のポケット6か所も本革仕様です。
既成のエルメスより豪華しようですね!
こちらの画像は汚れたままの加工前です。次の画像と見比べてください。
かなりの長時間、バッグを眺めていたので目がチカチカします。
技術的にも困難なためホックを取り外してまでクリーニング加工する業者は当社だけ?かも・・・
しかし、ホックを付けたまま加工すると数週間でホックの調子が悪くなったり変色することもあります。
刻印がない代用ホックに替えられてしまうこともありますので、注意が必要です。
ホックの小さな刻印なんて誰も見てくれないけどHERMESですから・・・・代用パーツでは残念です。
愛着があり使用頻度が多くなると少しづつ汚れたり傷んだりしてしまいますので、
市販の防水スプレーなどで汚れを吸い込まない様にするのは有効です。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索