1995年11月に製造された大きいサイズのヴィトンのバケツバッグです。
大容量で荷物が沢山入るメリットはあるのですが、底が深いので財布などの出し入れが大変です。
最近のヴィトンのヌメ革は変色する頃には表面がひび割れ無残な状態になってしまいますが、
この当時の製品は変色しながら艶が出て高級感が増していきます。
モノグラム地も頑丈でGOOD!です。
使用頻度が少なかったのでしょうか?
内張りの合成皮革が劣化してベタツキが発生しています。
このままでは使用できませんので2度とベタ付き劣化しないように本革で作成します!
手がベタベタになりましたが解体完了です。
ベタ付きが他の部材にまで付着しています。
縫製する個所により縫い終わりの糸留めの仕方が違います。
二目程縫い返してホツレ留めをしている部分はステッチが表面から見えない内縫い部分です。
裏側で糸を結んで留めている部分は表面からステッチが見える部分で、
ステッチが二重になることすら嫌がる様なこだわりの一手間です。
古き良き時代のヴィトンは丁寧な加工が施されていました。
この部分もステッチの重なりを避けるため裏側で頑丈に結んで糸留めしています。
*当社はもっと頑丈に糸留めしていますが、当社の加工はやり過ぎですので参考になりませんね。
ショルダーを取り付けるバックルループの下には刻印入りのカシメ金具が取り付けられています。
カシメの周囲には青サビが発生しています。
*最近の商品には取り付けられていないパーツでして、糸でカガリ留めされ簡略化されています。
カシメが浮き上がっていて不安な個所もあります。
4か所とも取り外しました。
正しくかしめられていなかったカシメ金具は取り外すと足が極端に曲がっています。
負担が大きな部分ですし正確な取り付けが必要な部分です。
小さなパーツですが一つ一つ再生して磨き込んだ後、正確にカシメ留めしています。
内張りはデザインは変更せずにボルドー系の起毛革で作成しました。
画像では伝わりにくいかもしれませんが高級感が数段アップしています。
苦労しましたがヌメ革などに付着したベタ付き汚れも綺麗に取り除いています。
内ポケットの中も本革仕様です。
天部がフルオープンのバッグですのでボルドー色の内張りがチラッと見えて目を引きます。
*「何かが違う?」と・・・・・この画像で気が付いた方の観察力はすごい!
縦長過ぎて使いづらさのあるバッグを8㎝短く加工しています。
このサイズなら小脇に抱えて普段使いしやすくなり使用頻度も増えそうです。
大きなバケツバッグをご使用で不便を感じている方には8㎝カットがバランス良く、
モノグラム柄の配列もベストになりお勧めです!
高品質な良いバッグですし使い易くなったと思います。
しまい込まずに大切にご活用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索