ルイヴィトン・ダミエ・グラフィットのベルトです。
5㎝短くするカット加工を施します。
バックル金具の裏面から見たところです。
バックル付け根の革にはヴィトンのロゴマークなどが刻印されています。
裏側ですので装着すると見えない部分ですが、5㎝カットすれば完全に無くなってしまいます。
バックル金具を取り外しました。
「マイナスドライバーでビスを取り外せばバックル金具が取り外せて簡単に短く加工出来そう!」・・・・と、
安易なチャレンジ精神で挑戦される方が多いのですが、ビスが回せずに破損させてしまう事が多いです。
その上、取り外したベルトの先端は複雑な形でして0.5㎜サイズが違うとバックルがグラグラします。
運良く、この状態までたどり着ければ・・・(必ず失敗しますが・・・)
「後は5㎝短くカットして先端の形を作ればバックル金具を取り付けて完成!」・・・・と思うでしょっ!
プロの修理屋さんでも「それで、ハイ完成!」というカット加工をされている修理店が多いですが・・・・
当社では、ここからが加工の本番です。
まずは、ベルトの付け根を大きく解体して剥がします。
「ベルトを短くカットする作業なのに、なんで関係ない部分を解体してるの?」と思った人!手をあげて!
手をあげた修理屋さんの多い事、多い事。
裏側から見て見ると芯材には上質の床革が使用されています。
高価なベルトだけに革の繊維方向なども考慮されて作り込まれているようですね!
先端には黒い補強芯が張り合わされています。
ベルトとバックルを連結する先端は負担が大きく重要な部分ですので強化されているのです。
(当社としましては充分とは言えない強化加工ですが・・・・・)
ベルトを解体することなくカット加工すると強化された部分は切り落としてしまいます。
次にバックル金具を取り付ける部分には強化加工はされていませんので、すぐに切れてしまいます。
構造を熟知していないと安易に短く加工してバックル金具を取り付けてしまいます。
「ちょっと器用な方の素人加工」は表面的な加工で内容が伴いません。
ベルトの5㎝カット加工の完成です!
どんな強化加工を施したかは秘密です。
当社の加工ですから、やり過ぎに決まってますけど・・・・
バックル金具の取り付けビスも新品時同様に簡単には取り外せないように固定しています。
5㎝切り落とせば無くなるはずのヴィトンの刻印も元の位置に残せるように工夫しました。
構造を熟知している直営店では強化加工の問題や刻印の事もあり、カット加工は引き受けてくれません。
構造を無視して安易なカット加工を施す修理店よりは親切心を感じます。
今回は無謀なチャレンジをした損傷も無く、良い状態でしたのでスムーズに加工できました。
安心してご使用ください。
*補足、注意事項です
穴あけポンチやキリなどでベルトの調整穴を増やしてしまう事も要注意です。
カット加工と同じで安易な加工は取り返しがつかない状態になる事も・・・・
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索