ルイヴィトン・ドルーオ( drouot m51290)です。
ショルダーベルトが切れて外れています。
ショルダーベルトが切れていない側は本体の付け根革が切れています。
シヨルダーベルトも付け根革も負担の掛かり傷みやすい部分です。
今回は負担が掛かる4か所とも復元強化加工のご依頼をいただきましたので頑丈に仕上げます。
切れていない側のショルダーの付け根ですが内側の芯材が切れているようで長くはもたない状態です。
こちら側の付け根革は直営店で修理した形跡があります。
しばらくは使用出来る状態ですが安心してご使用いただくためにこの部分もやり直します。
直営店で修理した部分を解体したところです。
革を繋ぎ合せて縫製し直していた様です。
内面には芯材などの補強はされていない様で繋ぎ合せた部分の接着が剥がれています。
一度も修理されていない側も解体してみました。
内側には補強芯が張り合わされ組み立てられていたようです。
しかし、金具を通す部分は芯材が擦り切れて欠損し金具との摩擦で革が黒くなっています。
芯材が擦り切れて無くなっていたので革が切れてきた様です。
付け根革を縫製するには本体の内張りを解体しないと加工出来ません。
ファスナーや両側マチの刻印入りカシメ金具も取り外さなければ正しい修理はできない構造ですので、
残念な修理加工が施されて取り返しがつかない状態にされることが多いバッグです。
ドルーオの修理は正確な加工が出来る修理店の選択が重要です。
今回のバッグは直営店での修理がされていましたので損傷はありませんでした。
シヨルダーベルトの先端も解体しました。
取り外した金具は元通りに組み付けるのですが、通常はカシメ金具は再利用出来ないパーツです。
しかし、刻印入りの重要なパーツですので再生して元通りに復元します。
ショルダーベルト側も付け根革側も復元強化加工の完了です。
強化芯を入れて仕上げていますが長く使用していると金具で摩耗して切れてしまう心配があります。
強化芯材が直接金具に擦れないように内側にもヌメ革を張り合わせて芯材を挟み込んでいます。
新品のヌメ革で部分作成していますが違和感のない様に仕上げています。
修理前の画像と比べていただけると頑丈さが伝わるかなぁ~
錆びて変色していた刻印入りカシメ金具もピカピカに磨いて再生しています。
シンプルなバッグですのでショルダーベルトの先端と付け根革を強化しておけば、
トラブルの少ない良いバッグです。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索