PRADAのショルダーバッグです。
外周天部のパイピングが破れて外れています。
本来、パイピングは芯材に本革や布などを巻いて作成したものを、
バッグの本体に縫い留めているのですが、
このパイピングはビニール樹脂の一体成型部品です。
パイピング型に成形されたビニールを縫い付けていますので、
本体に縫い付けるステッチが切り取り線のようになり破れています。
後ろの天部も同様の状態です。
内張りを解体してパイピング縫製部をほどいてみました。
構造上、この部分は2~3回縫い付ける部分ですので、
ビニールのパイピングには沢山の針穴が空いてしまいます。
針穴が切り取り線になっているのがよくわかります。
ファスナーの開閉や荷物の出し入れの度に負担がかかる天部ですので、
本革のパイピングを部分的に作成します。
前後の天部のパイピングを本革に構造変更して組み立てました。
ファスナーの開閉や荷物の出し入れも安心して使用できます。
部分的な構造変更ですが違和感なくご使用いただけます。
気温の下がる冬場はビニールが硬化して裂けやすい傾向がありますので、
丁寧に扱い、折りたたんで保管することは避け、詰め物などで形を整えて
保管することをお勧めします。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索