ルイヴィトンM61730財布のホック付け根の破れ


2004年にスペインの工房で作成されたL字ファスナー付きの財布です。

8年が経過した品ですが、やけにスッキリ、カッチリ、シャキっとしています。???

 

 

 


カブセを開くと凸側ホックの取り付け部が破れて金具が取れています。

 

 

 


カブセ外面の刻印入りマークとホック金具とは一体でないのでカブセの解体が必要です。

 

 

 


カブセを解体して内張りを剥がしたところです。

この部分から破れ部の復元強化加工とホック金具の固定作業をします。

 

 

 


作業していると製造された年式には合致しない作り込みと品質の良さを感じて
各部をチェックしてみました。

 

すると・・・

 

 


この財布が製造されるず~っと前から各ポケットや札入れの内張りには
合成皮革が使用されているのですが、この財布の内張りは全て本革仕様です。

当然、このブログで度々紹介しているような合成皮革の劣化など起こす訳もなく、
その他の部分でも完璧で丁寧な作業で組み立てられています。

この財布が作成された経緯は定かではありませんが、間違いなく最高品質のヴィトンです。

 

 


重厚感があるのですがスッキリしていて8年使用したヨレヨレ感は全く感じません。

超一流品を作り続けていた頃を知る、昔ながらの頑固な一流職人が
こっそりと最高品質のストックパーツをかき集めて組み立てたのでしょうか?

想像するだけで楽しくなります。

 

 

 

 


忘れていましたがホックの復元強化加工も完璧です。

ついでに、断言しますが2度と革が破れてホックが抜け落ちることはありません!

 

 

 

 


奇跡の逸品と呼べる品ですが、おそらく偶然購入された品のはずです。

良い品は大切に丁寧にご使用される方に購入される運命なんでしょうか?
羨ましい限りです。

大切にご使用ください。

 

 
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索