HERMES Beant chèvre 三つ折財布です。
撮影が下手なんで申し訳ありませんが、本来はもう少し赤味がある紫です。
三つ折財布なのでフルオープンするとこんな感じです。
H金具が外れ、折り曲げ部4箇所やベロ革にホツレや色落ちが見られます。
ベアンのベロ革や付け根のループ革の損傷は定番のトラブルですね!
擦れやすい部分なので糸がすり切れホツレ、表皮も擦れた部分に汚れが染み込んでいます。
折り曲げ部も同様に。。。
ベロ革を取り外した部分が白くなっていますが、これはカビではありません。
革の脂分が表面に浮き出てきたもので内側部材にも数箇所見られました。
ドライヤーなどで温めながら柔らかな布で拭き込むと革に馴染んで消えてしまいます。
時々、乾拭きするだけでも大丈夫ですが・・・
厚みのない財布ですが革の重なりの多い部分では6~8枚の革が貼り合わせてあります。
つまり、一枚一枚の革が非常に薄い革であり解体するのは苦労します。
上質な革だから出来る構造ですが芯材などは使用されていないので丁寧な取り扱いが必要です。
必ず傷みが出る折り曲げ部4箇所には強化加工を施して組み立て直します。
この財布で唯一、芯材が使用されているベロ革は芯材を交換して強化します。
折り曲げ部とベロ革の復元強化加工の完了です。
ベロ革もスッキリ。
H金具も頑丈に固定し、折り曲げ部4箇所には強化芯材を入れ込んで縫製しています。
この辺りも色落ちがありましたが綺麗になりました。
chèvre素材は最近のエルメスではお勧めの革素材です。
どんな加工を施すよりも丁寧に使用することが財布やバッグには最良です。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
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