VUITTON monceau モンソーの修理


1987年3月に製造されたルイヴィトンのモンソーです。

26年前の品ですが当時の素材や技術は高く最高品質のバッグです。

 

 

 

 


付属のショルダーベルトも使用できる状態ですが尾錠穴付近は亀裂が見られます。

 

 

 

 


5つある尾錠穴付近は負担がかかる部分ですので強化芯材を入れ込んで強化します。

 

 

 

 


ロック金具部のベロ革は変形し金具のメッキは剥がれています。

ロックの動作には支障がありませんしピカピカに仕上げても、
長年愛用されてきた年代物の風格がなくなりそうですねぇ~。

 

 

 

 


カブセ付け根の折り曲げ部は傷みやすい部分です。
強化加工を施して組み立て直します。

 

 

 

 


カブセ付け根と同様で底角も傷みやすい部分です。

 

 

 

 


持ち手もコバ仕上げします。

各部を観察してきましたが26年前のバッグとは思えない状態です。
金具のメッキの状態から頻繁にご使用されていたことが推察できますが、
とても丁寧に扱われてきた証です。

 

 

 

 


カブセの内側は革が波打変形しています。

カブセの開閉で負担がかかる部分ですので避けようのない症状です。
ご使用には問題ない損傷ですが気にされているようなので補正します。

 

 

 

 


内ポケットの様子です。
本革で作成するつもりですが本体を大きく解体する必要のあるモデルです。

 

 

 

 


こんな感じで。。。。

 

 

 

 


ファスナーの裏側には合成皮革のベタ付き汚れがべっとりと・・・

 

 

 

 


表面から見てもファスナーは変色していますので最高品質ファスナーで交換します。

最高品質のファスナーは開閉がスムーズで負担がないので長持ちします。

 

 

 

 


こちらはカブセの裏側で持ち手を固定するための鉄芯です。

鉄芯の擦れや当たりを軽減するためにヌメ革が貼り合わせてありました。
見えない部分ですのでボール紙でも良いのですが当時の品は見えない部分にまで
コストを惜しむことなく最善の作り込みがされています。

 

 

 

 


カブセ裏の波打変形を補正しましたので組み立て直します。

 

 

 

 

 


カブセ裏には鉄芯がありますので多少の膨らみは避けられない構造ですが、
大きな波打変形は改善し丈夫になりました。

 

 

 

 


ベロ革をスッキリさせ、ロック金具は使い込んだオールド感を残しました。

予定外の作業でしたがロック金具は少し金色を取り戻すとヴィトンらしさがでますねぇ~。
年代によりメッキではなく真鍮無垢の金具もあり真鍮は直ぐに曇りますが磨けば光ります。

メッキタイプは新品時は真鍮よりピカピカですが、
擦れるとメッキが剥がれシルバー色に変色してしまい再メッキするしかありません。

 

 

 

 

 


持ち手や外周のコバも補色しています。

 

 

 

 


ショルダーの尾錠穴部は強化芯材を入れ込んで強化していますので安心です。

 

 

 

 


カブセの付け根など各部に強化加工を施して組み上げていますし、
劣化してしまう合成皮革の内張りもなくなり安心して長く愛用いただけます。

20年後にもう一度見てみたいバッグですが、その頃は引退してますかねぇ~?
これまで同様、大切にご使用ください。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索