miumiuのガマ口付き長財布です。

ホックの開閉時に指先が擦れるホックの下部に引っかき傷が見られますが、
使用感も少なく全体的に綺麗な状態です。

しかし、折り曲げ部など数箇所に擦れが見られます。

こちら側も同様に。。。。

ほとんど使用されていないと思うのですが・・・・

床革（革の表皮を取り除いた繊維の荒い下層部）が使用された素材です。

表皮を取り除かれた床革部は型押し加工やペイントで化粧されていても、
擦れなどに弱く耐久性は期待できない素材です。

トラブルの多い口金金具ですが内側は新品同様です。

デリケート過ぎて良い状態を保つのが難しい素材ですので、
擦れ易い外周全体に補色コーティング加工を施しておきました。

ホックの下に付いていた引っかき傷も補修しています。

ガマ口付きで使いやすく、デザインも可愛いので、
外面素材と口金金具が改善されれば女性には一番勧めたい財布です。

デリケート素材は丁寧に活用する以外に長持ちさせる方法はありませんので、
これまで同様に大切にご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

バンブー持ち手のグッチのショルダーバッグです。

内張りの合成皮革が劣化してベタベタです。

合成皮革を使用すれば材料費は安上がり本革と比べると作成の手間も楽ですが、
高級ブランドくらいは頑張って欲しいですねぇ～

ご依頼の内張り作成とは関係のない損傷ですが外面の汚れも気になります。

白い粉は劣化した内張りの汚れが出てきて付着しているようですが・・・・

バッグ全体に付いている黒い汚れはなんでしょう？

劣化した合皮の汚れを取り除く作業で黒い汚れも取れるといいのですが・・・・

今回は高級感のあるシープスキンで作成します。・・・・が！
大きなバッグでしたので一枚の革では足らなくなり、もう一枚買い足しに・・・

デザインやサイズなどは変更なく仕上げていますが外面より高級感がある革です。

外面の汚れも綺麗になり復活です。

大きなサイズのバッグでしたので予定外に革が必要で、
予定外のクリーニング加工が必要になりましたが、
長く愛用頂ける状態に品質アップしています。
大切にご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

グッチのセミロング2本持ち手のバッグです。

内張りの合成皮革が劣化して使用できない状態です。

前面にある大きなポケットの中もベタベタ。

本体側への色移りも重傷です。

内張り交換のためには大きく解体する必要が有りますが、
このバッグの構造だと持ち手付け根の金具を取り外す必要があります。

金具を取り外すためにはショルダー持ち手も解体しなければ外れません。

シンプルに見えるバッグですが内張り作成となると解体箇所も大きくなります。

持ち手と金具が外れただけですがイメージが変わるものですねぇ～
当然ながら前ポケットも解体しなければ・・・・

前ポケットを解体すると劣化した内張りの汚れが本体側に色移りしています。

合成皮革素材が劣化し始めると悪化の一途を辿ります。
関係ない素材に色移りしてダメージを与える前に修理しておくのが最善です。

マグネット金具も取り外して元通りに移植する必要があります。

今回使用する高品質な革です。（左側が頭で中央が背中部分です）
表皮のきめが細かい小さな革を使用しますので、1枚では足りません。

高級ブランドが合成皮革を使用する中、内張りに高級皮革を使うの・・・と、
革屋にも不思議がられている当社ですが信用できる合成皮革が見つかりませんので。

高品質な合成皮革が見つかれば迷うことなく贅沢な本革仕様は終了します。

本革仕様の内張りを作成して、本体のベタ付き汚れを除去しました。

当然ながら解体よりも組み立て直しの方が時間も技術も必要です。

本体の内張りも本革仕様で2度とベタ付き劣化することなく安心です。

バッグから合成皮革素材がなくなれば高級感もアップして、
優越感というか満足感というか、大切さまでアップしてしまうものです。

飽きのこないバッグですので長く愛用できる品です。

バッグは大切にしまい込むよりも丁寧に使い続ける方が良い状態を保てます。
早めのメンテナンスを心がけながら長くご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

グッチの長財布です。

テーピング革がボロボロです。

小銭入れカブセのテーピングも同様に。。。。

テーピング革が擦り切れて無くなる寸前ですので本体にまで影響しています。

ベロ革もスレスレで残念な状態です。

GGキャンパス地も全体に薄汚れていますが、
今回はテーピング損傷部の部分修理と、ベロ革の補修補色加工を施します。

擦り切れたカブセ部のテーピング革は糸をほどいても取り除けません。

GGキャンパス地も一部黒い染みになっていますが、
瞬間接着剤を使用した経歴があるようです。（聞いてないよぉ～）

削り取るようにテーピングを取り除きましたが、瞬間接着剤で硬化していますので、
縫い針が折れないか心配です。

瞬間接着剤を使用された理由はわかりませんが、
素材が変質硬化して元に戻ることがない損傷ですので残念です。

テーピング革の部分修理とベロ革の補修補色加工の完了です。

ボロボロだったテーピングがスッキリすると引き締まって見えます。

折り曲げ部も同様に。。。。

傷みやすい部分なので次に傷んでくるのも、やはり折り曲げ部からです。
本体に損傷が及んでしまう前にメンテナンスされることが賢明です。

ベロ革のスカイブルーも復活しましたので気持ちよく愛用いただけそうです。

大切にご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

Valentino-Cardiniの財布です。

複雑な構造の財布ですが全て解体して合成皮革部は本革仕様に変更します

合成皮革部を全て本革にと言ってみたもの・・・・

ファスナー付きの小銭入れは、外面まですべてが合成皮革素材です。

解体前から悪戦苦闘しそうな感じが・・・・

カブセに付けられたドーナツ状のアイレット金具も取り外します。
ナスカン金具もメッキが剥がれていますので高品質な金具に交換します。

表面が剥がれた赤茶色の部分は合成皮革です。

と、言うことは・・・

ほとんどのパーツが合成皮革で作り替えが必要です。

ややこしい構造の札入れ部も合成皮革です。

アイレット金具やホック金具も取り除いて解体です。

内側の部材です。

合成皮革で作成しても手間が掛かりそうですが・・・・

外面を補修補色加工しながら本革仕様でリニューアルリペアの完成です。

金具類も新品に！

小銭入れ部や札入れも本革仕様です。
この財布に合成皮革素材は存在しなくなりました。

画像右上の財布の中に、これほど多くの合成皮革パーツが存在していました。

悪戦苦闘の連続で、これ以上書くと愚痴がでそうなので、
大切に長く愛用していただけると嬉しいです。
ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

PIERO-GUIDIのソフトトランクケースの大きなバッグです。

名前や住所などを刻印したプレートがバッグ購入後に送られてきて、
そのプレートを持ち主がバッグの中央に取り付けるシステムで人気でした。

このバッグは1997年と刻印されていましたが懐かしいバッグです。

シンプルで丈夫な持ち手と付け根革です。
持ち手は外側に金具があり、付け根革は内側に金属が入れられています。

持ち手や付け根革は丈夫ですがバッグを持ち上げると、
左側だけ本体の天部が浮き上がってきます。

付け根革を固定している2本のビスも、しっかりと固定されている様子ですが・・・・？

カブセを解体してみると天部前面に樹脂製の板が芯材として入れられています。
芯材中央のガムテープを見た瞬間に修理歴があることがわかります。

今回の修理とは関係ありませんが内側のスポンジは粉状に劣化しています。

ガムテープを剥がしてみると樹脂板は楕円形に穴が空くように割れていました。

付け根革と板芯を固定するようにビス止めされる構造のようですが、
板芯が割れたのでバッグの天部が浮き上がっていたようです。

でも、大きなバッグを樹脂板で支える構造は付け根革や持ち手の構造と釣り合いません。

カブセの内側から劣化したスポンジの粉まみれになった鉄芯が出てきました。
前回、修理された時に鉄芯を取り外したままカブセの中に置き忘れていたようです。

樹脂製の板を鉄芯で挟み込むようにビスを固定しましたので、
安心して使用できる状態に復活です。

左側の付け根の加工だけの予定でしたが、
鉄芯を入れるために反対側の付け根革部も解体して加工が必要でした。

バッグのサイズや構造に見合った強度に復活です。

バッグの内側の構造は一般的には見ることのできない部分ですが、
外観のデザインや素材だけでなく内側の構造はとても大事です。

天部の浮き上がりに違和感を感じずに使用を続けていれば、
外面の革が破れて重症化していたと思います。

両側の付け根革ともしっかりと固定しておきましたので、
安心してご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索