エルメス　アリゲーター革のﾍﾞｱﾝです。

今回の加工内容は、
・折り曲げ部と角部の補修加工
・H金具の下の白い汚れの除去加工
・ベロ革と本体外周のコバ面の仕上げ直し

アリゲータ素材の中央溝部の白い色が目立ちます。

溝部分は擦れにくいので表皮の剥がれではないようです。

中央部の溝部分だけに汚れが付いたとも考えにくく、
原因は不明の症状ですが目立ちすぎますので目立たないように加工します。

ベロ革の外周コバ面は剥がれが見られます。

角部も擦れやすい部分でアリゲータ革がめくれ上がっています。

外周は厚みを薄く加工されたアリゲータ革と芯材の剥がれが見られます。

折り曲げ部もアリゲータ革と芯材が剥がれています。

このまま使用するとアリゲータ革がちぎれて欠損してしまいますので、
外周は接着し直して補修加工を施した後、コバ面を仕上げ直します。

内側の状態から丁寧に活用されていることがわかります。

原因はわからない白い汚れも使用可能な状態に改善しました。

めくれ上がった角部や外周の剥がれなども補修完了。

部材同士が剥がれていたコバ面も均一に仕上げ直してスッキリ。

高価な財布でも汚れや擦れなど損傷は避けることができません。

少し使い込んだ雰囲気がお洒落な状態ですので、
出来る限り現状を保ちながら大切に長くご愛用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

（お手紙紹介です）

レザークリエーション様

長期の出張から帰りまして修理していただいた５点確かに受け取りました。
各品私が思っていた以上に奇麗に仕上がってびっくりしております。

特にケリーバッグは廃棄しようと思っていたものです。
あのカバンは阪神大震災の際、祖母の家が崩れて何週間か雨風にさらされた物です。
それがこれほどきれいになっており予想をはるかに超える仕上がりにびっくりいたしております。
ブログを拝見いたしまして、修理にこれほど鞄と使い手のことを考えて頂き
お修理をされてるのかと感動いたしました。

母と約束した通り、母の誕生日の品としてこのカバンを送りました、
祖母の思いも詰まった鞄ですので母も喜んでいました。

これからもお修理いただいた品に何かありましたらお世話になると思いますが、
またどうぞお付き合いよろしくお願いします。

兵庫県　R　様

お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に使用していても汚れや擦れは避けられない損傷です。
とくにリザードのケリーはとても古い品で、
一度は使用できない状態まで悪化したバッグですので、
丁寧に取り扱いながら良い状態を保てるようにご愛用ください。

グッチのミニボストンです。

ファスナーはサビが出ていて開閉が困難な状態です。

底角の擦れが重症ですが革パーツは全体的に擦れや色あせが見られます。

表皮が擦り切れて革の繊維が露出していますので補修しなければ染め直しできません。

古いモデルなのでしっかりと作りこまれています。

全てのパーツの周囲から滲み出るように黄色い変色が見られます。

この辺りも同様に。。。。

白っぽいバッグですのでシミ汚れが目立ちます。

全体に見られるシミ汚れも気になりますが、
古い品だけに負担が掛かる持ち手の付け根革などは強化加工が必要です。

ボール紙のような芯材ですので限界を迎えています。

付け根革を解体して錆びたファスナーを取り外しました。
先に発表しますと全体に染み出た黄色いシミは取り除き完了しています。

ボール紙の芯材はパキパキに硬化していて役に立たない状態です。

古い品ですので仕方ないですがファスナーの取り付け部も芯材がパキパキです。

ファスナーを交換して組み立てれば見えない部分ですが、取り除きました。

高級ヌメ革を新しい芯材として使用しました。
見えない部分だけに、やりすぎ感はありますが古き良き時代のグッチですので・・・

ファスナー交換も完了して付け根革の強化加工も完了です。

シミ汚れの取り除きだけでなく革パーツの補修補色加工も完了しています。

使用困難な状態でしたが綺麗になりました。

底角の補修補色も完了です。

おそらく生産時の接着剤の影響で全てのパーツの周囲にシミ汚れが出ていたと
考えられます。

しっかりと作りこまれたバッグですので大切に長く愛用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

ブログの閲覧ありがとうございます。

本年は1月6日より営業いたします。

よろしくお願いします。

有限会社レザークリエーション

valextraバレクストラのビジネスバッグです。

最高級のロック金具が使用されていますが表面はメッキが剥がれているようです。
メッキのハガレをカモフラージュするために塗料で補修した跡も見られます。

機能的には良好な状態なんですが・・・・

補修してあった塗料を取り除くとメッキのハガレが鮮明に。。。

カブセの凸側金具にはvalextraのロゴマークがありますが、
気にしないので代用の金具に交換しても構わないと、ご依頼をいただきました。

確かに代用の金具に付け替えてしまう方が簡単で手っ取り早いのですが・・・

ロック金具の取り付け部の裏側もしっかりした固定で高級感があります。
代用金具に付け替えると革のワッペンを作成して本体の取り付け穴を塞ぐしか・・・

金具の再生はリスクも高くコストも掛かり技術も必要です。
加工価格の事も有りご依頼内容に甘えさせていただこうかと・・・・

代用品のロック金具を購入してみました。
イタリー金具で安物ではありませんが元々の金具と比べると・・・・

壊れていない高品質なロック金具を代用のロックに交換していいのか？
本体に革ワッペンを縫い付けて穴を塞いでデザインも変わってしまいますし、
2度と元に戻せないので踏ん切りがつきませ～ん。

2度とメッキが剥がれないように真鍮の無垢材のロックを希望されています。
取り外した金具を分解してメッキを剥がし取りました。

取り付けや取り外しも困難なロック金具ですが分解までしてると不思議に感じる
修理業者様も多いのではないでしょうか？

通常は分解は不可能です。

メッキは美しさだけでなく表面の硬度が硬くなるメリットがありますが、
剥がれてしまうデメリットがあります。

すべてのメッキを剥がしとると、ご依頼の真鍮無垢材でした。
組み立てられるかどうか心配ですが・・・・・

valextraのロック金具を変更することなく真鍮の無垢材仕上げで完了です。

再メッキ加工でピカピカに再生したり代用ロック金具に仕様変更する方が簡単でしたが、
とても良い状態のバッグでしたので失敗を覚悟しながら頑張ってみました。

一番手間のかかる加工になりましたが、
メッキで化粧されていない無垢材ですので真鍮磨きクロスなどで、
時々、磨きながら使用されると良い状態が保てます。

いくら磨いてもメッキのように剥がれることはありませんので、
大切に長くご愛用ください。
ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

ルイヴィトン　タイガ　ビジネスバッグ　（kourad）です。

重くなるビジネスバッグは持ち手に負担がかかります。

裏側から見ると大きく革が剥がれて欠損し芯材が露出しています。

高価なバッグですし、この状態ではビジネスの味方にはなってくれません。
新しく持ち手を作成して交換します。

後面には大きなポケットが付いています。

ポケット天部は縫い合わせ部が破れています。

負担が掛かる部分ですので解体して強化芯材をいれて復元します。

古いバッグですので反対側も強化しておくことがベストですが、
今回はこちら側のみ強化します。

カブセを解体して、これまで頑張ってくれた持ち手を取り外しました。

元のデザインやサイズは変更することなく丈夫な芯材を使用して作成しました。

負担が掛かるポケットの縫い合わせ部も頑丈に復活です。

古い品だけに素材や作り込みがよく、全体的に凛とした品格を感じるバッグです。

ビジネスの道具ですが十分に頑張ってくれたバッグですので、
これからは、これまで以上に丁寧なご使用で大切に活用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

定番のリボンが付いたフェラガモの財布です。

ロック金具に付いたリボンは擦れや汚れが目立ちます。

ロック金具の板バネが出すぎです。
新品時の板バネでしょうか？？？

突き出た板バネで指先を怪我する可能性もありますので加工します。

小銭入れの右マチですが変な折りたたみシワが付いています。
一度変な癖が付いてしまうと自然には元には戻りません。

折り曲げ部には擦り切れ穴も見られます。

リボンを取り外し、両側の折り曲げ部と小銭入れのマチを解体しました。

こちら側の折り曲げ部は穴あきはないようですが傷みやすい部分ですので、
両側の折り曲げ部とも強化芯材を入れ込んで組み立て直します。

本体に付いた板バネの跡型と比較すると短く加工されているのがわかりますが、
まだ、少し出っ張っていますので正面からは見えないくらいに加工します。

変な折れシワが付いていたマチですが・・・・

正常なラインで折れ込むようになりました。

折り曲げ部も強化されリボンも新しくなり板バネも外観から見えないように加工しています。

とても丁寧に使用されていますので引き続き大切に愛用ください。

 
ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索