ケリーバッグの金具


エルメス パーソナルオーダーのケリーバッグです。

 

 

 


このバッグが製造された2021年頃からですが、
HERMES-PARISの刻印の両サイドにー(ハイフン)が刻印されています。

これまでの金具とは違うことを意味するー(ハイフン)の追加ですが、
何が変更されているのか・・・?

 

 

 


金具を固定しているように見える四隅の凸にダミー感を感じます。

今回は緩くなったヒネリ金具の調整加工ですので、
解体して裏側からも見てみます。

 

 


リサイクルブティック様や質屋様のサイトでも、
金具の刻印変更や持ち手付け根金具の変更などは紹介されていますが、
当社的には膨らみが少なくて平たく見える付け根革や
持ち手ステッチが先端ギリギリまで縫製されていないのが気になります。

あと一目を縫っているかどうかにエルメスらしさを感じていたので、
少し残念。

 

 

 


当然ながら持ち手先端がユルユルですので持ち手が前後に倒れます。

 

 

 


前側にも倒れます。

強度や耐久性に問題はありませんがカジュアルな感じです。

 

 

 


両サイドのベルトの縫い付け部も平たい形状です。

 

 

 


ヒネリ金具の緩みやグラつきを修復するために本体を解体してみると、
驚きの光景がありました。

+ドライバーがあれば素人でも取り付け可能な金具になっています。
この辺りの仕様変更はリサイクルブティックでは確認出来ない部分です。

各部を解体してみると他にも生産性を向上させるための仕様変更が、
各部にあると想像しますが革や金具や糸の色を選べるパーソナルオーダーは、
一定の魅力があります。

 

 


ドライバーでネジを外して金具をバッグから取り外して、
ユルユルだったヒネリ付け根を調整加工しました。

今回のヒネリ金具は時計まわりだけに回す方が緩みにくくて安心ですが、
当社で加工した金具は気にしなくても大丈夫です。

 

 


前回の受付時に加工キャンセルされたケリーバッグでしたが、
次の受付時に改めてご依頼いただきました。

ヒネリ金具が抜け落ちて紛失してしまう可能性が、
とても高い構造に仕様変更されていましたので、
ご依頼いただいて良かったと思います。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

ケリーバッグ修理


ケリーバッグです。

 

 

 


カブセ天部の表皮のひび割れにも塗料が入っていますので、
他店様での塗装歴があります。

 

 

 


金具の厚み部分に赤い塗料が付着して残っています。

リニューアルリペアを思案されていましたが、
他店様の塗料で覆われていて本来の状態が確認できませんので、
今回は損傷が確認出来る部分のみご依頼を承りました。

 

 

 


持ち手付け根やカブセに縫い付けられている付け根革には
損傷が見られますので解体して強化加工を施します。

 

 

 


負担が掛かる部分は亀裂が発生しています。

 

 

 


反対側の持ち手付け根も付け根革も亀裂がありますので強化します。

 

 

 


カブセ付け根も負担が掛かり傷みやすい部分です。

 

 

 


塗料で固まった縫製糸を取除くのは困難です。

 

 

 


ヒネリ金具はグラグラですので調整加工を施します。

 

 

 


解体。

 

 

 


傷んだ芯材を取除いて強化加工を施します。

 

 

 


カブセ付け根も大きく解体して強化芯材を入れ込みます。

 

 

 


予定外ですがマチ部材も縫い合わせ部を強化して組み立て直します。

 

 

 


ヒネリ金具の取り付け部を内側から見たところです。
古いバッグですので芯材にも本革が使用された高品質時代のケリーです。

 

 

 


持ち手付け根と付け根革の傷んだ部分を取除きました。

 

 

 


持ち手付け根と付け根革とカブセ付け根の強化加工の完了です。

 

 

 


反対側も同様に。。。

 

 

 


カブセ付け根だけでなくマチ部材の縫い合わせ部も強化加工しています。

 

 

 


抜け落ちそうなくらいグラグラしていたヒネリ金具も調整完了しています。

当社では他店様の塗料で覆われた素材しか見ることが出来ないため、
今回は負担が掛かる部分のみ強化加工を承りました。

強化加工を施した部分は新品時より丈夫になっています。
大切に長くご愛用ください。

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(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション
ご担当者様

〇〇〇〇です。お世話になっております。
ご連絡すっかり遅くなってしまいましたが、
無事、先週日曜日にお鞄受け取っております。

この度はしっかり頑強かつ丁寧に修理くださり
ありがとうございました。

元の持ち主の祖母も、驚いておりました。
他にもいくつかご相談したいお鞄がございますので、
また次回の受付機会を待ちたいと思います。

取り急ぎ、御礼まで。

 

千葉県 K 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
負担が掛かる部分は丈夫に強化していますが、
古い品ですので出来る限り良い状態が保てるように、
丁寧に取扱いながら長くご愛用ください。

 

ガーデンパーティ


持ち手がヨレヨレと倒れたエルメスのガーデンパーティです。

 

 

 


表皮が剥がれた擦れがあり芯材が抜けて折れ曲がっています。

 

 

 


反対側の持ち手も同様に。。。

持ち手の革が伸びてしまい芯材の寸法が足らなくなったことで、
芯材が抜けた様な状態になります。

 

 

 


底角やパイピング革にも表皮が剥がれた擦れが見られます。

 

 

 


テーピング革や帯革も同様に。。。
表皮が剥がれると汚れや湿気を吸い込みやすくなり劣化が早まります。

 

 

 


大きなバッグで肩掛けして使用すると持ち手の負担が大きくなり、
外面の革だけが伸びてしまい芯材寸法が足らなくなります。
このバッグですと持ち手が5センチ以上伸びている状態です。

 

 

 


今回は付け根4箇所を解体して強化しながら芯材を元の位置に戻します。

 

 

 


5センチ以上伸びた持ち手の革を解体すると芯材の先が奥の方に見えます。

 

 

 


芯材を正しい位置まで戻して負担が掛かる付け根を強化しました。

 

 

 


革が伸びて芯材が抜けて倒れていた持ち手も自立するように復活です。

当社で持ち手付け根を強化したガーデンパーティは、
芯材が抜けることはありませんので肩掛けでも問題ありません。

各部に見られる革パーツの擦れは先送りされましたが、
革が劣化する前にメンテナンスされることをお勧めします。

大切にご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

ご担当様

遅くなりましたが、商品受け取りました。
とても綺麗に仕上げていただきありがとうございます。
HPを見始めておそらく数年経ってやっと修正が叶いました。
今日久しぶりに持ってお出かけします!
お気に入りのカバンなので本当に嬉しいです。
本当にありがとうございました。

 
大阪府 Y 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
大切に長くご愛用ください。

バーキン修理


使い込まれて残念すぎる状態のエルメスのバーキンです。

 

 

 


各部に擦れがあり表皮が無くなった部分は革の繊維が露出しています。

 

 

 


底角は表皮が無くなっただけでなく擦り切れて穴が空いています。

 

 

 


穴が空いてパイピングの芯材が見えている箇所は部分修理します。
表皮が無くなると革の劣化も進行しますので、
もっと早い段階でメンテナンスするのが理想です。

 

 


両側の持ち手も表皮が剥がれた部分に手の汚れや脂分などが浸透して、
革素材が劣化しています。

劣化した素材が元に戻ることはありません。

 

 

 


素材自体が限界を超えていますので持ち手は手遅れ状態です。

 

 

 


本体を解体して持ち手を取り外しました。

 

 

 


汚れを取除くと擦り切れて穴が空いた部分がよく解ります。
穴が空いた部分は5箇所もあり残念すぎるバーキンです。

 

 

 


両サイドのベルトも汚れを取除くと擦れや色あせが鮮明です。

 

 

 


両側の持ち手は素材が朽ちています。

 

 

 


芯材を剥がした内側から見ると穴が空いていることもわかります。

 

 

 


持ち手や金具を取り付けた前面を解体して内側から見たところです。

ロック金具はアンテナ部がグラグラしていますので、
抜け落ちて紛失する前にしっかりと修復します。

 

 


天部も解体しなければ持ち手の縫製は出来ません。

 

 

 


両側の持ち手を作成交換して底角の擦り切れ部5箇所を修復したあと、
外面全体をクリーニングと補修補色加工しました。

 

 

 


グラグラだったヒネリ金具も修復しています。

 

 

 


マチ天部は糸が擦り切れてホツレが見られましたので、
予定外ですが両側とも縫い直しておきました。

 

 

 


後面も擦れや汚れや色あせが見られましたが、
出来る限り改善させています。

 

 

 


持ち歩くのが困難なほど傷んだバーキンでしたが、
再び活用していただける状態に復活させています。

革製品は手遅れ状態まで悪化させてからメンテナンスするよりも、
早めのメンテナンスを繰り返す方が良い状態を保てます。

出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)
昨日、バーキンを受け取りました。
とても綺麗に修理されていて大変驚きました。
コパの匂いなのでしょうか、
買った当初のような気分になりました。
ありがとうございました。
本日は他のバーキン(緑色28cm)の修理をお願いしたいと思っております。
前回同様、持ち手や四隅のスレが気になっておりますが、
その他レザークリエーション様が直したほうが良いと思われる箇所も
修理していただきたいと思っております。
よろしくお願い申し上げます。

 

東京都 H 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
修理するタイミングが少し遅く残念すぎる状態でしたが、
再び活用いただけるように復活しています。
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。
新たにご依頼されるバーキンの状態も少し心配ですが、
到着しましたら現品診断してみます。

エブリンとヴィクトリア35


エルメスのエブリンミニとヴィクトリア35です。
色あせや汚れや擦れだけでなく変型型崩れが見られます。

 

 

 


色あせたエブリンミニは全体に傷が目立ちます。

 

 

 


負担が掛かるショルダーベルト先端は強化加工が必要です。

 

 

 


反対側のショルダー先端付近は革の劣化も進んでいます。

 

 

 


擦れやすいテーピングは表皮が剥がれて白くなり、
マチは潰れて変型しています。

 

 

 


白い汚れが付着した反対側のマチ底も押し潰れて変型しています。

表皮が擦れたことで革素材の劣化が進んでいることや、
マチ底などの変型もありリニューアルリペア加工も提案しましたが、
今回はショルダー先端の強化と補修補色加工で対応します。

 

 


バッグの形状が解らないほどクタァ~と変型型崩れしたヴィクトリア35は、
擦れや汚れも激しく持ち歩きにくい状態です。

HERMESにはVictoria(ヴィクトリア)とplume(プリュム)という、
よく似たバッグがありバーキンとオータクロアのような感じで似ています。
プリュムとしてご依頼いただいていたことから、
加工完了までプリュムだと思い込んでいました。

 

 

 


持ち手のコバ塗料が剥がれて毛羽立っています。

 

 

 


持ち手の表皮も剥がれ他部分に汚れが染み込んで黒くなっています。

 

 

 


底角付近も大きく表皮が剥がれてマチ部材も変型しています。

革のシュリンク模様が擦り切れてなくなるほど擦れていますので、
染め直しも困難な状態です。

 

 


エブリンミニの汚れを出来る限り取除いた状態です。

 

 

 


擦れて革の繊維が露出した部分を補修加工で整えたあと補色します。

 

 

 


ショルダーも取り外して先端部には強化芯材を入れ込みます。

 

 

 


ヴィクトリアの変型型崩れを改善させるためには解体が必要ですが、
内張りの構造が複雑で難易度が高いです。

 

 

 


バッグを裏返すとゴミやホコリが各部に山積。

 

 

 


本体を解体して強化芯材を入れ込みながら補正します。

 

 

 


持ち手の取り付け部だけに布地を貼り付けた構造ですが、
それほど強度はアップされていません。

持ち手も解体して強化します。

 

 

 


持ち手など附属パーツを取り外して全体の汚れを取除きました。
手垢汚れが染み込んで黒くなっていた持ち手の擦れ具合も鮮明です。

 

 

 


ショルダーベルトの両側先端を強化して組み立て直し、
外面のクリーニング加工と補修補色加工の完了です。

 

 

 


表皮が剥がれた部分も色あせた部分も黒革に改善しました。

 

 

 


後面も同様に。。。

 

 

 


強化したショルダー先端は新品時より丈夫です。

 

 

 


ヴィクトリア35も補正加工とクリーニングと補修補色加工の完了です。

このバッグを知らない方は、ここまでバッグのデザインや形状が
わからなかったと思いますが、これがヴィクトリアです。

 

 


補正するとマチ幅が大きなバッグでした。
マチ部分にも芯材を入れ込んでいます。

 

 

 


スレスレだった底角も改善。

 

 

 


柔らかなヴィクトリアはガチガチにせずに出来る限り柔らかく補正しています。
持ち手も全体に芯材を入れ込みましたが柔軟です。

全体に傷や色あせが見られたエブリンミニは、
弱っていたショルダー先端は強化されていますが、
メンテナンスのタイミングが遅く素材劣化がありますので、
丁寧な取り扱いが必要です。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

エルメスとシャネル


シャネルのミニボストンとエルメスのエブリンです。

 

 

 


エブリンは全体に色あせが見られ外周は表皮が剥がれた擦れが見られます

 

 

 


テーピング革には擦れが見られますが底角もヤブレはありません。

変型補正も希望されていましたが全体を解体するには軽傷ですし、
テーピング交換が必要になるタイミングが最善だと判断して、
今回は先送りをお勧めしました。

 

 


天部テーピング革も表皮が剥がれています。

 

 

 


シャネルのミニボストンは自立しないほど変型しています。

 

 

 


持ち手は欠損ヤブレがあります。

 

 

 


両側の持ち手とも芯材が抜けています。

 

 

 


シャネルの刻印がある底鋲も紛失されています。
この底鋲は手で引き抜けるほどの取り付けで紛失する方が多いです。

 

 


パイピング革も擦り切れて穴が空いています。

キャンバス地の薄汚れもクリーニングしながら、
外面革パーツの作成交換や底鋲の固定や変型補正などを施します。

 

 


内張りにもヤブレがあり復元強化加工が必要です。

 

 

 


全体の汚れを取除きました。
ナスカン金具は代用品で交換されています。

 

 

 


汚れを取除くと各部の擦れ具合が鮮明です。

 

 

 


底角付近も同様に。。。

 

 

 


反対側も同様に。。。

 

 

 


シャネルのミニボストンはバラバラに解体。

 

 

 


取り外した芯材や持ち手やパイピング革などを作製します。

 

 

 


取り外した持ち手は革が伸びて長さが違います。

 

 

 


中の芯材と比較しても持ち手が伸びています。

 

 

 


芯材は同じ長さですので元の芯材に合わせて作成してもよいのですが、
長くなった持ち手のサイズに慣れてしまっていると、
芯材のサイズは極端に短くなり使いにくく感じます。

今回はご希望のグレー系の革色で短い方の持ち手に合わせて作成します。

 

 

 


エブリンの補修補色加工の完了です。
色あせや擦れが改善して黒革に戻りました。

 

 

 


同様に。。。

 

 

 


シャネルのミニボストンは自立するようになりました。
持ち手は使い慣れたサイズで厚着していても腕を通して持てます。

 

 

 


元の底鋲を4角に固定して作成した底鋲を中央に取り付けしました。
しっかりと固定していますので抜け落ちる心配はありません。

 

 

 


持ち手やパイピング革と同じ革で作成していますので、
違和感ありません。

 

 

 


変型型崩れは使用時よりも保管時に起こりやすいです。

タオルなどを詰め込んで形状を整えて保管するようにするだけで、
型崩れを抑える効果があり良い状態を保ちやすくなります。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索