ルイヴィトン エピのガマグチ財布です。
折り曲げ部は革が擦り切れて穴が空いています。
基本的に革が擦り切れて穴が空いてしまうと修理不可能と断られてしまうので、
修理するタイミングとして遅く手遅れです。
反対側の折り曲げ部は汚れなどが染み込んで黒くなっていますが、
同じように革が擦り切れて穴が空いています。
札入れポケットの縫い合わせ部になる箇所も負担が掛かる部分で、
革が擦り切れて破れています。
別角度から同様に。。。。
ホツレがあり口が空いていますので折り曲げ部同様に解体して強化加工を施します。
反対側のポケットの縫い合わせ部も革が擦り切れてますが、
ホツレがありませんので補修加工で整えます。
擦れやすい外周は多数の擦れが見られます。
ベロ革の外周も同様に。。。。
折り曲げ部を解体して強化芯材を入れ込みながら、
擦り切れ穴を塞いで縫製します。
解体すると、こちら側の擦り切れヤブレも鮮明に。。。。
札入れポケットの縫合わせ部も同様に復元強化加工を施します。
ベロ革や外周の擦れ部を補修補色の完了です。
すでに、製造から14年以上が経過して擦れが激しい財布でしたが、
折り曲げ部など3か所の復元強化加工と外周の補修補色加工で、
問題なく活用できる状態に復活です。
長く愛用したい財布やバッグは重症化してからメンテナンスするよりも、
軽症なうちに小まめなメンテナンスを施す方が、
良い状態を維持したまま長く愛用することができます。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション 御中
本日無事に到着しました。
ビフォーの写真と比べて、気になっていた所がすっかり綺麗になっていて、
本当に嬉しかったです。
購入してくれた両親も大変喜んでいました。
新しく購入も考えてましたが、まだまだ現役で使用できるようになりました。大切にします。
一点、少し前と変わったような気がする箇所がありまして。
財布を開いたカード入れの脇、被せになっている部分が接着されていないのですが、
これはあってますか?
下の部分はくっついてましたので、きになって。
以前はカードが入っていたため気付かなかっただけかな?と、思うのですが、
念のため確認です。
分かりにくいとは思いますが一応画像を添付します
お手数ですがご確認ください。
これはこういう物です!で、あれば、全く気になりませんので。
奈良県 Y 様
お受け取りのご連絡ありがとうございました。
ご質問に回答いたします。
お問い合わせ時からのメールのやり取りを再読いたきますとわかりますが、
当社からご提案しましたリニューアルリペア加工はキャンセルされて、
今回ご依頼いただきました加工は下記の内容になります。
・両側の折り曲げ部の復元強化加工
・札入れ縫い合わせ部(後右上角)の復元強化加工
・外周擦れ部の補修補色加工
お送りいただきました上記の画像を見ますと、
親指の少し右あたりの、ヘリ返した革が少し浮いているように見えますが、
しっかりと縫製されているようですので構造的には問題ない状態です。
ご指摘の画像部分はご依頼いただきました修理内容ではありませんので、
ブログを閲覧いただければわかるように、この部分の解体などはしていません。
革が擦り切れて穴が空いたり、ヤブレがあるまま使用していた財布でも、
それらが改善すると少し革が剥がれているだけでも気になるものですが、
構造上は問題ないと考えます。
どうしても気になるようでしたら返送くださいましたら見積もりさせていただきます。
今回ご依頼いただきました財布のように革が擦り切れて穴が空くまで使用してしまうと、
製造販売して責任がある直営店でも修理は断られてしまい手遅れ状態と判断されてしまいます。
一度は諦めるしかない状態まで使用した財布ですので、
今後は労わりながら、出来る限り良い状態を保てるように工夫して、
大切に長くご愛用ください。