ボックスカーフ素材のエルメスの名刺入,二つ折り財布,小銭入れです。
高品質時代の品ですが限界を超えるまで使用されて3点とも重症です。
ボックスカーフは生後6か月以内の子牛の革に特殊な揉み加工を施した革ですが、
最近は揉み加工を省いた普通の革までボックスカーフと呼ぶことも・・・
名刺入れと二つ折り財布を比較すると財布はボックスカーフの揉みシワが
消えてしまうほど愛用されていることがわかります。
折り曲げ部もカジリ取られたように見えるほど擦り切れています。
反対側の折り曲げ部も同様に。。。。
角部も擦り切れて欠損しています。
内部材も折り曲げ部には擦れが見られますが、
ボックスカーフの表情がしっかりと残っています。
反対側の内部材の折り曲げ部も擦り切れが見られます。
角部も折り曲げ部同様にステッチのラインまで擦り切れて欠損しています。
二つ折り財布は外面のボックスカーフを張替ながら内側も部分強化します。
名刺入れも外面はスレスレで革も劣化しています。
カブセ折り曲げ部と底面は表皮がひび割れてガサガサです。
馬蹄型の小銭入れも外面の劣化が見られます。
折り曲げ部は革が擦り切れて欠損しています。
反対側も同様に。。。。。
3点とも擦れや汚れなら再生加工も可能ですが、
革素材が劣化するほど悪化してますので安心して使用できるように、
外面革は張替交換を施します。
内部材には小銭の汚れや擦れなどが各部に見られます。
ベロ革もボロボロです。
小銭入れを解体したところです。
難しい構造の馬蹄型小銭入れですが外面とベロ革を新品作成します。
名刺入れはHERMES刻印がある内部材と外面革が一枚ものです。
刻印がある内部材部は残しながら外面部のみ部分作成します。
二つ折り財布も解体して外面の革を作成交換します。
スレスレ状態の内部材も復元強化加工を施します。
エルメスが使用するデュプイ社のボックスカーフを使用して張替完了です。
擦り切れて縫い直すことのできなかった折り曲げ部も、
強化芯材を入れ込みながら縫製しました。
内部材の折り曲げ部も復元強化加工を施しています。
難易度の高い馬蹄型小銭入れも外面革とベロ革の張替加工の完了です。
内部材は補色加工とクリーニングで改善させておきました。
名刺入れも張替交換の完了です。
刻印部を残すためにステッチを追加して外面革のみ部分交換しました。
これまで十分すぎるくらい頑張ってくれた小物たちですが、
3点ともに外面革を張り替え、負担が掛かる折り曲げ部には強化加工を施し、
まだまだ活躍してくれる状態に復活しました。
革が劣化してボロボロになるまで頑張ってくれた小物たちですので、
今後は早めのメンテナンスを施しながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション御中
本日商品を受け取りました。
十分満足できる仕上がりでした。
来年からサックアディベッシュと一緒に使いたいと思います。
また、今後も継続して御社にお世話になりたいと思います。
出来れば、普段の手入れ方法と御社にメンテナンスをお願いする
判断基準を教えていただければありがたいです。
宜しくお願いします。
静岡県 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
糸が擦り切れてホツレが発生するなど、
構造的な損傷が出ましたら早めに修理する方が安心です。
しかし、どのような加工を施すよりも丁寧に活用されることが、
革製品には最良のメンテナンスになりますので、
大切に長くご愛用ください。