エルメスのケリータイプのビジネスバッグです。
前回のブルージーンに引き続き、もっと重症なゴールドブラウンの加工編です。
通常のケリーバッグと違いダブルホールのベルト金具が特徴的でカッコイイですね~
この付近の小キズは避けようがありませんがバッグの中央で目立つ個所なんで残念です。
背面は、かなり重症です。
先に完成したブルージーンより年式の古いものですが品質はこちらが良いですね!
高品質素材や丁寧な造り込みなど現行の製品では真似が出来ない品質です。すばらしい!
カブセ天部の引っかき傷。
底面に白いシミ汚れが・・・
カビの様に見えますが、これは革の脂分が表面に出てきて固まったものです。
何年も前のバッグですが最高品質の革が使用されていますので柔軟性があり素材が生きてる証です。
「これは!カビが発生しています!」といい加減な診断でカビ取り加工する修理店もありますが、
脂分ですのでドライヤーで温めると溶けて無色透明になります。その後は空拭きでOK!です。
最高級の革を使用したエルメスに多い症状ですので騙されないようにご用心!
エルメスとは言えない残念状態の持ち手です。
う~ん?綺麗になるのか?
浸みこんだ汚れを取り除いてみました。
センターのヒネリ金具です。
エルメスだけは未だに釘をカシメて金具を固定しています。
エルメスらしさ漂う高品質な金具ですが、ユルユルのグラグラです。
解体して内側から見たところです。
中央の大きな穴は回転するヒネリ部分を固定している個所ですが、奥に入り込んでいる様に見えます。
実は、かなり厚みのある本革を芯材として使用しているので、このように見えるのです。
年式の新しい物はガーゼの様な布を芯材にしていますので、ヒネリの裏も出っ張った状態です。
革の芯材を使用しなければコストダウンができ重さを抑えるメリットがあります。
しかし、回転させるヒネリの裏が内張りに擦れて傷みやすく全体の強度は低下してしまうデメリットがあります。
完成しました。凛々しいですねぇ~
カデナ(南京錠)は使用しないならバッグから外しておく方が余計なキズが付かずに吉です。
キズだらけだった背面も綺麗になりました。
傷みやすい底角付近もエルメスらしさの復活です!
悪戦苦闘と戦意喪失を繰り返しながら持ち手も補修補色加工を施し、なんとかなりました。
豪華!羨ましいバッグのツーショットです。
道具ですから使えば傷むのは仕方ない事です。
こまめにメンテナンスを繰り返しエルメスらしさを維持しながら長く大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索