年代物のカルティエとルイヴィトンのショルダーバッグです。
丈夫な構造で作製されていたころのシャンティですがヌメ革は劣化してます。
シャンティは同じようなデザインでシャンティ名で復活していましたが、
復刻シャンティは品番が違うように構造的には別物です。
古いシャンティは、さすがルイヴィトンといえる構造の丈夫なバッグです。
このバッグのような構造で大量生産するのは効率が悪いので、
二度と製品化されることはない構造のバッグです。
1989年6月に製造された古い品ですのでヌメ革は劣化しています。
ヌメ革パーツは限界を超えていますので作成交換しながら、
各部を強化してリニューアルリペア加工を施します。
カブセ裏の革も亀裂が見られます。
反対側のカブセ付け根も同様に。。。。
内ファスナーポケットの中は合成皮革素材が劣化。
解体。
カルティエのショルダーバッグも高品質時代に作成されたものですが、
カブセ外周など擦れやすい部分は表皮が剥がれています。
同様に。。。
製造年代を考えると丁寧に活用されてきたことがわかるバッグです。
後面も外周はスレスレ。
波打ち変形も見られますのでカブセ折り曲げ部や後面は強化します。
カブセ付け根や折り曲げ部は傷みやすい部分ですので強化芯材を入れます。
後面全体も解体。
スポンジが入れてあるだけのソフトな構造です。
雰囲気を維持するためにもガチガチに強化して補正することはできません。
前面カブセ部には芯材が入れてありました。
スポンジを取り除かずに全体に芯材を入れ込みました。
擦れ部を整える補修加工のあと補色しました。
この辺りも同様に。。。。
折り曲げ部は強化芯材を入れ込んで丈夫にしたあと補修補色。
後面は柔らかい雰囲気のままで波打ち変形を解消しています。
何より本体全体に芯材が入り丈夫になっていることが、
長く愛用いただく上で効果的です。
シャンティのリニューアルリペア加工の完了です。
合成皮革の内張りは本革仕様になりファスナーや芯材も作成交換しています。
負担が掛かる付け根革などは内側から芯材やヌメ革で強化しています。
カブセ裏も芯材交換して丈夫にして、折り曲げ部も強化しています。
デザインは変えずにカブセの開閉が楽になる工夫も施しています。
どちらも大がかりな加工でしたが復活するとカッコイイです。
活用すれば擦れや汚れは避けられない物ですが、
出来る限り良い状態を保ちながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索