クリスチャン・ディオールの持ち手付け根


クリスチャン・ディオールのバッグです。


持ち手と本体の連結はディオールならではのデザインです。


付け根革は本体に1本のステッチで縫い留められています。
強度的にはCD刻印の入ったマーク金具で対応したい構造の様ですが・・・・

 

デザイン優先の設計に不安を感じてしまうのは修理屋だから???


付け根革の裏側は何やら瞬間接着剤やボンドで悪あがきした形跡があります。

CD刻印金具が抜けてしまうトラブルに悩まされていたようです。


こちら側も同様の状態です。

ホツレやヤブレなどの損傷は瞬間接着剤などでは修理不可能なんですが、
アロンアルファなどのコマーシャルを見ていると勘違いするのでしょうか?


内張りを解体して裏側から見たところです。(見えない裏面の派手さにびっくりです!)

かなりの負担が掛かる付け根革のCD刻印金具は強度など気にしていない取り付け方です。


工具を使用すること無く、素手で金具の足を起こして抜き取れます。


この金具に負担を担わせる構造ですので、しっかりと固定する必要があります。


何度かCD刻印金具が抜けてステッチも切れていたようです。

簡単に外れてしまうCD刻印金具にイラッ!として瞬間接着剤を使用してしまったのでしょうか?


ご自身で悪あがきした瞬間接着剤の事はご依頼がありませんでしたので、
今回はCD刻印金具が抜けない様にだけ、しっかり対策して付け直します。


ホツレを縫い直しCD刻印金具を頑丈に固定しました。(全4か所加工しました)

簡単に外れてしまう事は2度とありませんので安心してご使用いただけます。

 

 


ボンドや瞬間接着剤の汚れは、ある程度取り除いてあります。
しかし、瞬間接着剤を使用してしまうと材質が硬化してしまい素材の柔軟性が復活する事はありません。

取り返しがつかない損傷を与えてしまう前にプロに任せるのが最善ですね!


購入されて間もないバッグのトラブルは残念ですが、
対策さえ施しておけば、お洒落で便利に活用出来る良いバッグです。

クリスチャン・ディオールはフランスの有名ブランドですが、
このバッグはどちらの国で生産してるのでしょう?

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索