クロムハーツのコンパクトな三つ折り財布です。
色褪せや汚れや変形などが見られますが、
色が剥がれ安いゴールドのクロスパッチは綺麗な状態です。
カブセで隠れていた面と比較すると表皮が剥がれた色褪せただけでなく、
黒く汚れが染み込んでいます。
特に擦れやすい外周は表皮が剥がれた部分に汚れが染み込んで、
黒革のような状態です。
この辺りも表皮が剥がれた部分に汚れが染み込んでいます。
使い込んだ雰囲気も楽しめるクロムハーツですが、
強化加工を施しても革素材の劣化が心配な状態です。
この辺りはステッチ穴が2重になり縫い直した跡が見られます。
他店様で外面のクロスパッチを追加加工された時に縫い直したようです。
外面より内部材のサイズが大きいようで各部にヨレやシワが見られます。
今回はリニューアルリペア加工のご依頼ですが・・・・
解体のためには金具類の脱着加工が必要になります。
本体を貫通したホック金具の表面は飾り金具になっています。
クロムハーツですので金具類が最重要ですが、
基本的に脱着は不可能な金具です。
アイレット金具も同様に。。。。
商品価格の大半を占める金具類は代用品での交換はできませんが、
取り外さなければ解体できない構造です。
金具を取り外して解体。
無理やり金具を取り外して大丈夫かと心配される修理店が多いはず・・・・
他店で追加加工されたクロスパッチは何度も糸を接ぎ直した個所が見られます。
内部材も色褪せや汚れが見られますが、
ホック金具を取り外した部分や内部材と比較すると外面は別色のような状態です。
補修補色加工の予定はありませんでしたが劣化を抑えるためには、
表面の補修補色加工が必要なようです。
ちぎり取った金具の裏面は目にしない部分ですが、
「1996 chrome hearts」と刻印されていました。
ホックには青錆が見られますので磨き加工が必要です。
ようやくバラバラに解体。
この財布も例にもれず雑というかアバウトな作業で作成され、
クロムハーツならではの作り込みです。
黒く汚れが染み込んだ外周の汚れを取り除くと表皮の擦れが鮮明に。
小銭入れのファスナーポケット内張りは底部分に縫えていない箇所が・・・
コインが抜け落ちない程度の穴ですが縫えていないところがクロムハーツらしさ。
札入れの内張りも直線部分がガタガタになっています。
目を閉じて鋏で切っても、もう少し真っ直ぐに切れそうですが・・・・
同様に。。。。
各パーツに強化加工を施しリニューアルリペア加工の完了です。
汚れや擦れが改善しただけでなく強度アップさせながら、
ヨレやシワも改善しています。
金具も元通りに再生しました。
内外のサイズは整えていますので、ずれてしまうはずのステッチですが、
元のステッチ穴のまま縫い直して組み立て直しています。
アイレット金具やホック金具も元通りで、
外周の黒く染み込んだ汚れも改善しています。
使用頻度が高い財布の擦れや汚れを防ぐことはできませんが、
各部の強化加工で構造面の耐久性は格段にアップしています。
耐久性が心配なゴールド革のクロスパッチもありますので、
丁寧に取り扱いながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
こんにちは
昨晩受け取りました。
受付に半年待ちましたが、待った甲斐がありました。
クロムハーツが再生しました。(笑)
やっと普通に使えるようになりました。
ありがとうございました。
千葉県 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
高価ですがワイルドでカッコいい財布です。
大切に長くご愛用ください。