製造から41年が経過したルイヴィトンのサックロンです。
ファスナーの取り付けが逆になるとサックトリコというモデルになります。
刻印入りカシメ金具が腐食して折れています。
刻印部を紛失されていませんので再生できます。
最高品質の豚革で作成された内張りを解体して加工します。
年代を考えると良い状態を保ったバッグですが、
擦れやすい角部は糸やコバが擦り切れています。
また、部材のハガレがありコバ面が割れています。
こちらの角も同様に。。。
コバ面を仕上げ直すためには部材の接着も必要です。
4角とも縫い直し修理した形跡があります。
縫製糸からみると直営店での修理ですが縫製が汚いです。
こちらの角部も同様に。。。
古い品ですので屈曲するマチの天部は多数の亀裂が発生しています。
亀裂の悪化を抑えるためにマチを解体して強化芯材を入れ込みます。
内張りを解体して刻印入りカシメ金具と付け根革を取り外しました。
内張りに修理した人のマーキングがありました。
ボールペンで他人のバッグに直に書き込むのは止めて欲しいです。
ちなみに当社ではマーキングすることはありません。
古い品ですので付け根革も強化します。
丈夫なモノグラム地が使用されていた頃のバッグですので、
縫い付け部に亀裂はなく良好です。
しかし、安心して活用できるように内側から強化加工をほどこして、
付け根革やカシメ金具を取り付けます。
41年が経過した経年劣化は見られますが最高品質の革です。
スライスして繊維が荒く弱くなった部分を取除きました。
付け根革の裏側からもヌメ革を貼り合せ強化芯材も入れ込みました。
刻印入りカシメ金具も再生。
ご希望通り付け根革の後ろにD管金具を追加加工しています。
擦れや割れやホツレが見られた角部も修復完了。
コバ面も仕上げ直しています。
反対側のマチも同様に。。。
マチ天部の亀裂も強化加工とコバ仕上げで悪化を抑えられます。
本体の前後面も付け根革を取り付ける前に大きく強化芯材を入れています。
41年が経過したバッグですが、まだまだ活躍してくれる状態に復活しました。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
有限会社レザークリエーション御中
バッグを手に持ってみたところ、手から伝わる感触だけで、すごく丈夫になったことがよくわかる持ち心地でした。
人に例えたら入院して帰ってきたら、ただ病気を治しただけでなく、入院前より健康になってイキイキとして帰ってきた感じです。
イキイキしたバッグを見て使うことを想像すると、こちらもウキウキ嬉しい楽しい気分になります。
こちらにお願いする前にヴィトンに見積に出した際に、カシメを交換するついでに、
根革や持ち手やファスナーも同じく古いので一緒に交換を勧められたのですが、
この時を経た見た目も含めて気に入っていたので、これが真新しいものになるのは悲しいな、
でも交換ではなく何とかならないのかな、と思ってネットを見ていた際こちらのブログを知り、
ヴィトンでの修理は止めて修理依頼を受付られるのを待ち、今回お願いできた次第でした。
ラーメン屋さんの行列に10分と待っていられない当方ですが、こちらは何ヶ月でも待っていられましたし、待った甲斐とてもありました!
こちらのバッグは元々当方のものではなく、捨てられる寸前のものを譲り受けたものでしたが、
ブログや本日色々お聞きしたお話から、思っていたよりも古い時代のもので、
今では同じクオリティのものを手に入れるのは難しいことを知り、
捨てられずに良かったと思うと同時に緊張してきました(笑)
とは言え、バッグなので使ってナンボだと思うので、
本日受け取りの際、アドバイスいただきました使い方を守りながら、大切に使っていきます。
サックロンは編み棒を入れバッグだそうですが、わたしとしてはヴィトン=フランスということで、
焼きたてフランスパンをパン屋で買ってバッグに入れて、カフェオレかエスプレッソをテイクアウトして、
大きな公園でバッグからフランスパンを取り出してかじる…
というとでフランスパン入れが正解ということにしておきます(笑)
次点は八百屋で大根買って入れる、または子供が学校に持っていく縦笛と30センチ差し入れです(笑)
本当は何を入れるのでしょうね。ニットバッグと言ってもこれでは編み棒と毛糸だまは入っても
編みかけのものが長くなると入らないから持ち歩いた先で続きを編めないと思うのです。
不思議なバッグです。
大阪府 T 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
買換えることが出来ない貴重なバッグですので、
大切に長くご愛用ください。