
ルイヴィトンのポシェット ボスフォールM40044です。
長年のご使用で各部に損傷が見られますので、
リニューアルリペア加工を施します。

便利に活用できるバッグだけに使用頻度も高いようです。

縫製糸の擦り切れだけでなくヌメ革も擦り切れて欠損しています。![]()

内縫いの底角は波打ち変形が見られます。

両側の底角はパイピング革が擦り切れて芯材が露出しています。
パイピング革を交換するとなると本体を解体して内張りも取り外して・・・・![]()

ショルダーベルトの取り付けがあるだけのシンプルな後面。

付け根革は亀裂が発生して、そろそろ限界です。

モノグラム地には硬化が見られ天部には無数の亀裂が発生しています。
亀裂が消えることは物理的にありえませんが、
これ以上の悪化を抑制するためには内側から強化加工が必要です。

後面天部中央は損傷が激しく欠損も見られます。

両側のマチ天部も擦り切れてモノグラム地に穴が空いています。
モノグラム地に穴が空くほど活用されたバッグですが、
引き続きご愛用いただけるように強化しながら復活させます。

バラバラ。![]()

付け根革を取り外してみるとステッチのラインで亀裂が発生していました。![]()

こちら側も同様に。。。。
付け根革の取り付け部も強化加工を施して丈夫に仕上げますので、
リニューアルリペア加工の選択は正解だったようです。

両マチの擦り切れ穴も解体すると大きくてビックリです。
4か所とも穴が空いていますので復元強化加工で再生します。

本体のモノグラム地を裏側から見たところです。
付け根革の縫い付け部や亀裂が多数ある天部全体に強化芯材を
張り合わせて丈夫にします。

厚みのあるモノグラム地に大きな穴が空くほど愛用されたバッグは
便利に活用された愛着の証とも言えます。
しかし、使用頻度が高く愛着のあるバッグは早めのメンテナンスを繰り返す方が、
良い状態を保ったまま長く愛用することができます。

リニューアルリペア加工の完了です。
安心して活用いただけるように2か所のファスナーも新品交換しています。

負担が掛かるヌメ革パーツは裏側からもヌメ革を張り合わせて、
丈夫に仕上げています。
欠損部も目立たないように強度を上げながら再生しました。

波打ち変形やパイピングの擦り切れが見られた底角もスッキリです。

マチ天部4か所の擦り切れ穴も再生しています。

同じ持ち主が同じように活用すれば同じ個所に同じような損傷が発生します。
どのような加工を施すよりも丁寧に取り扱う事が良い状態を保つ秘訣です。
安心して活用いただける状態に復活していますので、
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
レザークリエーション 担当者様
カバンを受け取りました公式リペアに断られてから、
諦めていたカバンがきれいになって、
戻ってきてくれて、本当に嬉しいです。
大切に使わせていただきます。
また、ブログの作業工程も楽しみにしています。
本当にありがとうございました。
東京都 M 様
限界を超えるまで愛用されたバッグですが、
長く愛用いただけるように復活しています。
修理してまで使い続けたいと思えるバッグに出会えることは、
多くありませんので、大切に長くご愛用ください。