ポパンクールの修理


ルイヴィトンの(ポパンクール・オ)です。

 

 

 

 


2005年製造で15年近く経過したバッグですので、
底角はテーピング革が擦り切れています。

 

 

 

 


本体モノグラム地まで少し擦れていますがギリギリセーフです。

 

 

 

 


ポパンクールは革が劣化すると底角だけでなく上部も切れてしまいます。

 

 

 

 


4カ所とも切れていますので対策が必要ですが、
刻印入りかカシメ金具を取り除かなければテーピング交換できません。

 

 

 

 


擦り切れヤブレや革の劣化が見られますので、
少し厚みを増した新品のヌメ革で作製交換します。

 

 

 

 


テーピング革の交換をすれば刻印入りカシメ金具がなくなるので、
修理を諦めて擦り切れたままで使用される方も多いです。
しかし、放置していると本体が傷んでしまいます。

 

 

 

 


テーピング革の上部が切れていた理由は・・・

 

 

 

 


モノグラム地ある切り込みが原因。
切り込みから亀裂も発生しています。

 

 

 


カシメ金具を取り付けるための穴は必要ですが、切り込みは・・・?

 

 

 

 


切り込みはマチ部材を縫い合わせる位置をマーキングするためだけのもの。

モノグラム模様を合わせるためにマチを取り付ける位置は重要ですが、
切り込みに加えて厚みも変わる部分ですのでテーピング革が傷みます。

 

 

 


最高品質のヌメ革に半分だけミンクオイルを塗ってみました。
すぐに乾いて白くなりますが色焼けが早くなり馴染みやすくなります。

 

 

 


刻印入りカシメも再生してテーピング革の作製交換の完了です。
天部の革パーツも同時に交換しておきました。

 

 

 


少し厚みを増した分だけ耐久性や強度が上がっています。

 

 

 

 


切り込み部はテーピングの下で強化しておきました。

 

 

 


おそらく一年もしないうちに色合いも馴染んでくると思います。

外周のテーピング革はデザインだけでなく本体を守るためのパーツです。
底角などの擦れは避けられませんので消耗パーツと考える方が良いです。

大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索