2000年製造で17年が経過したルイヴィトンのガマグチ財布(M61663)です。
ベロ革はコバの塗料が剥がれたまま使用されていたので、
芯材のボール紙がふやけています。
ベロ革の折り曲げ部には亀裂も見られますので強化しておきます。
17年が経過した財布ですので各部にホツレも・・・・
こちらの角もホツレ。
コバの塗料も剥がれて部材も剥がれたまま使用していると・・・・
モノグラム地に亀裂ができてしまいます。
モノグラム地がちぎれて欠損しないように、この部分も強化加工します。
財布では一番傷みやすい折り曲げ部はホツレや欠損が発生。
もっと早い段階でメンテナンスするのが最善です。
こちら側の折り曲げ部はホツレ程度で大きな損傷はありませんが強化します。
モノグラム地が縮んで内部材が飛び出しているために、
モノグラム地の折り曲げ部に負担が掛かりにくいのかも?
外周に飛び出した内部材は擦れてしまうので表皮が剥がれています。
バッグの中でも擦れてしまう財布の外周は損傷を避けるのが難しいです。
内部材の外周の擦れは補色加工で目立たなくします。
汚れた小銭を入れるのでガマグチの中の汚れは避けることはできません。
汚れを気にしていたら財布としては使えない部分ですね。
折り曲げ部と片側の角部の亀裂を強化する予定でしたが、
こちら側は天部全体に強化加工を施しておきます。
反対側の折り曲げ部も解体して強化芯材を入れ込みます。
ベロ革も解体して強化芯材を入れ込みます。
ホツレやコバ仕上げも完了。
刻印入りのホック金具も変色していましたので磨いておきました。
小銭入れの中も清掃しておきました。
欠損が見られた折り曲げ部は強化しながら縫製して丈夫に。。。。
色剥がれ部は補修補色加工で改善させています。
色剥がれで白くなった部分が目立たなくなったことよりも、
表皮の剥がれた部分から汚れや湿気を吸い込みにくくなったことが、
良い状態を保つ上では効果的です。
17年が経過した財布で各部に損傷が見られましたので、
全体を解体して合成皮革の内張りを本革で張替たり変形や型崩れなども補正する、
リニューアルリペア加工もご提案しましたが、
選択された各部の修理加工だけでも十分に活用いただける状態に復活しました。
大切にご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索