全体のヌメ革パーツは硬化していて柔軟性がありません。
すでにベロ革はちぎれて欠損しています。
外周のパイピング革は全体的にパキパキに折れて欠損した部分も見られます。
ヌメ革パーツを全交換する場合は解体も可能ですが、
劣化した革パーツのまま解体して組み立てなおすことは不可能です。
内ポケットの内張りはベタ付き劣化してから数年が経過していると思われます。
本革部分にも色移りが激しく通常は手遅れと判断される修理店が多いと思います。
今回は内ポケットの内張り交換とファスナー交換のみ加工を承りました。
ベタツキ劣化は自然に改善することはなく重症化するだけですので、
対面の素材などに悪影響を与えて損傷が増す前に対策するのが最善です。
合成皮革部の内張りは本革仕様に変更して二度とベタつかない様にしました。
擦れ傷や色移りが激しかった対面も綺麗に仕上げています。
外側ポケットの内張りも劣化していますが交換は本体を大きく解体する必要が有り、
全体的なリニューアルリペア加工でなければ対応不可能でした。
今回はファスナーと内ポケットの内張り交換だけでしたので、
各部の劣化を考慮して丁寧な取り扱いが必要です。
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