ルイヴィトン・ダミエの長財布の修理

lv 1999-10 (1)
1999年10月に作成されたダミエの長財布です。

丁寧に使用されている財布ですがカブセが反り返っています。
原因は表面のダミエ地が経年劣化で縮んでしまったためです。

 

 

 

 

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カブセ裏の赤いヴィトン刻印あたりの革がだぶついています。
ダミエ地が縮んだため内側の革部材とサイズが合わなくなったのが原因です。

カードポケットにはカードを入れたままお送りいただきました。

理由は・・・・

 

 

 

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カードポケットの内張りが合成皮革ですので劣化してべた付いています。
ベタつき汚れが移らないようにカードを入れてガードされていたようです。

 

 

 

 

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ホックを取り外さなければ内張りの交換は出来ません。

 

 

 

 

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ダミエ地に汚れ移りはなくカードの効果がありました。

 

 

 

 

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片面だけが合成皮革なので、解体も片面だけのように思いますが、
カードポケットの底面やセンターの仕切りステッチを縫製するためには、
本体も大きく解体する必要があります。

 

 

 

 

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大きく反り返ったカブセを補正するためにカブセ部も解体です。
ペラペラのボール紙の芯材はお役御免です。

 

 

 

 

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反り返りの補正だけなら、ここまで大きく解体する必要はありません。

 

 

 

 

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今回はホックを取り外さねければ加工できない作業ですが、
元通りに組み立て直すには損傷を与えないように取り外せなければなりません。

当社のブログではよく目にする光景ですが一般的には難しいのでは?

 

 

 

 

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カブセを大きく解体した理由はカブセの付け根や折り曲げ部も強化するためです。

特に損傷はありませんでしたが傷みが出やすい部分ですので・・・・

 

 

 

 

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反り返っていたカブセですが丈夫な芯材で可能な限り補正しました。
ベタツキ劣化した合成皮革の内張りは本革で張り替えて安心仕様です。
細心の注意を払いながら取り外したホック金具も元通りです。

 

 

 

 

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赤いヴィトンのロゴ付近もスッキリ!

 

 

 

 

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丈夫な芯材を入れ込んで丈夫に仕上げていますが、
縮んでしまうダミエ地の性質を変えることは不可能です。

折り曲げ部やカブセの付け根も強化していますので経年劣化が進行する前に、
しまい込むことなく、どんどんご使用されることをお勧めします。

 

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

有限会社レザークリエーション 御中

こんばんは
この度はお世話になりました。
本日、財布2点を受け取りました。
ありがとうございました。

二つ折の方は折り曲げ部分がとてもしっかりしているのがわかります。
亀裂も直りましたので、大切に使用していきたいと思います。
質のよいヴィトンだというお話をお伺いできてよかったです。

ダミエの財布は気になっていました反りが直り新品のようです。
かぶせには買ったときのような張りがあって、
かぶせの部分も折り曲げ部分も大変丈夫に仕上げていただいてうれしいです。
これでまたしばらく活躍できます。
本当にありがとうございました。

また何か修理をお願いする際にはどうぞよろしくお願いします。

和歌山県 M様

お世話になります。
良い品でしたので加工の様子をブログでも紹介させていただきましたが、
何より使い方が丁寧ですので良い状態を維持できています。

大切に愛用される方は良い品を長く愛用できる見本です。
引き続き大切にご使用ください。

ありがとうございました。