両面にカブセがある同形式の財布です。
右が80年代前半の品で左は90年代前半の財布です。
カブセのデザインや使用されている革などが違い、構造も大きく異なる財布です。
生産年代に10年ほどの開きがある両者の財布ですが、
いずれの品も最高品質の素材と丁寧な作り込みで甲乙つけがたい良品です。
こちらの財布は小銭入れのマチがダブル仕様で仕切りがあります。
また、外周はモノグラム地を折り返して縫製した構造で、
このような仕様は80年代までだと記憶しています。
30年が経過した財布ですのでモノグラム地は硬化して折り曲げ部は無残!
こちらは新しい方の財布、と言っても20年以上が経過した年代物です。
外周はモノグラム地を折り返す構造ではなく現行品と同様の仕上げです。
小銭入れと札入れの二つの財布を作成してから合体させたような構造で、
この時期だけの特殊な構造で、とても頑丈です。
古いモデルと同様に両面のカブセや折り曲げ部に損傷が見られます。
80年代の品は本革のため見られなかった合成皮革の内張り劣化。
折り曲げ部が8箇所あり、80年代の財布も6箇所ありますが、
傷みやすい部分ですので強化芯材を入れ込んで強化します。
この年代の内部材の革は高品質なだけでなく厚みもありますねぇ~
しかし、負担が掛かる縫い合わせ部などにはパーツごとに強化して組み立てます。
こちらの財布の小銭入れは現行品と同様に仕切りのないシンプル仕様。
マチ革に変な折り目が付いて変形しています。
この辺りは使い方の問題ですね。
20年~30年経過した財布ですが、どちらの財布もリニューアルリペア加工で
今後も長く愛用いただけるように強化しながら組み立て直します。
汚れを取り除くと擦れ具合が鮮明です。
丈夫に仕上げながら美観も整えるのがリニューアルリペア加工です。
80年代財布のリニューアルリペア加工の完了です。
各部に強化加工を施し組み立て直していますのでホツレなどもなくなりました。
同様に90年代の財布も完了です。
劣化した合成皮革の内張りは本革で張り替えながら各部を強化しています。
スレスレだった小銭入れの中もスッキリ!
両側のマチ革も解体して内張りとの間に強化芯材を挟み込んでいます。
元々頑丈な構造ですが30年前の新品時より丈夫に仕上げています。
現在となっては貴重な品ですので大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
商品受け取りました!
みなさんがコメントされているように、
廃棄寸前だったものが見違えるように蘇って、手元に戻りました。
丁寧で真摯な仕事ぶりが感じられ、とても感謝しております。
ありがとうございました。
東京都 K 様
どちらの財布も丈夫で高品質で過剰品質とも言えるほどの良品です。
2どと新品購入できない品ですので大切に長くご愛用ください。