1982年フランスの工房で作成された財布です。
約30年前の財布ですが、この当時に作成された品は
「これぞヴィトン!」と呼べる素材と一流の技術で作成されています。
しかし30年ですから画像を見ると少々くたびれた感じで疲れが見えます。
内側の革も、型押し革ではなく最高級のスムース革です。
長年のご使用で変形・キズ・色あせ・ヤブレと各部にフルコースの損傷があります。
しかし、このような高品質の財布は二度と購入出来ませんので全体リニューアルリペアを施します。
お札やメモを挟み込んでおくタイプのポケットですが擦り切れて破れています。
糸をほどいて外してみました。一部の革が擦り切れて欠損しています。
こちらは小銭入れの右底になる角です。
モノグラム地も破れてボロボロですが、小銭入れのマチ革にもヤブレがあります。
長年使用すれば必ず傷む折り曲げ部ですが一部欠損しています。
反対側の折り曲げ部です。30年って感じしますね!
取りあえずバラバラにしましたが・・・・
それぞれのパーツごとに伸びたり縮んだり、シワになったり破れたりです。元に戻るのか?
コツコツとパーツごとに再生補強加工を施し、強度は新品以上になるように加工していきます
小銭入れの内側です。
ホックの裏金具と中に入れる小銭に挟まれ摩擦で内張りの革に丸く穴が開いています。
小銭入れの中は汚れも酷くヤブレもありますので迷わず革を新品に張り替えます。
当時のヴィトンは小銭入れの中まで高級本革が使われていました。
当然、当社も最高級の革を選択します。
変形したり破れたりしているマチ革も補強加工して内側の革を張り替えます。
0.3ミリほどの厚みの革を剥がし取るのは大変でした。
この内張りの革は30年も良く頑張りました。
お金って金属ですから小銭入れの中は劣悪な環境なんです。
破れていた折り曲げ部です。
パッと見た限りでは破れていた事がわかりません。
ボロボロだった角部分も再生しました。
補強芯も挟み込んで仕上げていますので強度アップしています。
破れていた札入れポケットも問題なくご使用いただけます。
パーツごとに再生補強して組み立てましたので、修理前と比べるとシャキっとしてます。
一番上の画像と比べるとブランドらしさが復活です。
各部に補強加工して強度はアップしていますが、ズボンの尻ポケットに入れて使用すると、
どんな財布でもすぐにボロボロになってしまいます。
今から20年後に「50年前に製造された財布です」って紹介出来るように大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介)
岡山県 N様
羨ましく思える品質の財布です。
大切にご使用ください。
ありがとうございました。