ルイヴィトンM61663ガマ口財布です。
折り曲げ部にホツレがありますが、とても丁寧に使用されている様子です。
しかし・・・
財布の折り曲げ部は傷みやすい部分です。
財布を使用しているとコバの塗料が剥がれ、糸が擦り切れてきます。
それでも、使用を続けると内部材とモノグラム地が剥がれて口が空きます。
通常は、その時点で修理メンテナンスするのがギリギリで手遅れ寸前です。
しかし、それでも使用を続けると、
縫い留められていないモノグラム地が縮んでしまい内部材が飛び出したように見えます。
当然、縫製穴の位置も合わなくなり元通りに組み立てられなくなります。
それでも、メンテナンスしなければモノグラム地がひび割れ、ちぎれて欠損します。
同じ箇所の損傷でも色んな段階がありますが、
この財布の現状は最終段階で通常は手遅れの状態です。
この財布の特徴でもある高品質な口金金具はマチに蝶番があります。
なんと!
こちら側には蝶番がありません!
ガマ口を開いてみると口金金具の蝶番部分が折れて破損しているようです。
財布本体から口金金具を取り外して、
叩いたり、炙ったり、削ったりしながら再生してみます。
折り曲げ部は強化芯材を入れ込み強度アップさせモノグラム地を復元します。
こちら側も同様の加工を施します。
モノグラム地が縮んで内部材とサイズが合わなく縫製に苦労しましたが、
折り曲げ部の復元強化加工の完成です。
良い状態のまま長く愛用するには早めのメンテナンスをこまめにするのが最善です。
口金金具も蝶番部分の再生加工で問題なく使用できる状態に復元しました。
外周全体のコバ仕上げもしましたので全体的にスッキリです。
良い時代に作成された高品質な品ですので大切にご使用ください。
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