ヴィトンのカルトシエールです。
1992年製造ですから20年ほど経過したバッグで疲れ切った様子です。
*カブセ中央のヌメ革パーツとショルダーベルトの作成・カブセ天部の型崩れの補正をします。
ショルダーベルトは一枚の革のため裏面は繊維がむき出しです。
油汚れや水分は革の裏面や厚みの繊維部から吸い込みやすいので対策します。
長さもギリギリでご使用の様子ですので余裕をもって長く作成します。
センターの革ベルトも傷みがあります。
今回は修理しませんがパイピングは擦り切れています。
モノグラム地には亀裂や欠損個所があります。
こちら側にも欠損個所があります。
マチ部には亀裂です。
出来る事なら全体リニューアル修理で全て修理したいところですが・・・・
今回は天部の型崩れを修正します。
カブセ天部の中央が押しつぶされたように変形しています。
カブセ外周をほどいて、内部材を剥がしたところです。
カブセの芯材はボール紙ですが、亀裂やシワがあります。
変形した部分にしっかりした芯材を入れて強化しながら補正しようと思います。
交換する部分の芯材と革パーツを取り外したところです。
取り外した金具類は磨けば光りますが、修理しない他の金具とのバランスもありますので、
青サビだけを取り除いて再使用します。
ショルダーとカブセ中央ベルトの作成交換完了です。
変形していたカブセの天部もシャキッとしました。
欠損していたカブセのモノグラム地も予定外ですが裏面から補強して補修加工してあります。
マチ部材との縫い合わせ部分は当時の製品同様に2重縫いで強度も確保しています。
新品作成したショルダーベルトと20年前のバッグとマッチングはどうでしょう?
違和感なくご使用いただけると思います。
真っ白な新品のヌメ革で作成したパーツを20年使用した革に合わせて補色しました!
ショルダーベルトは、強度と高級感アップのために裏面にも革を張り合わせ、2倍の革を使用してます
モノグラム地の亀裂やパイピング破れなど修理していない所は自然に治る事はありません。
2度と購入できない高品質なバッグですから丁寧にご使用になり大切に長くご愛用ください。
全てのパーツを新品の革で作成して新品感覚を20年ぶりに味わうリニューアルリペアもあります。
当社で全バラして組み直したバッグは劣化した各部すべてを補強して組み立てますので、
新たに20年以上ご使用いただけます。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索