ルイヴィトン アコルデオンM58008 長財布です。
カブセが大きく波打ち変形して、外周は全体が反り返って変形しています。
コバの塗料も剥がれています。
折り曲げ部は糸が擦り切れて口が空き重症です。
口が空いたまま使用されていたことでモノグラム地が縮んで、
内部材が飛び出したような状態です。
当然ながらサイズが変わるとステッチのラインも合わなくなり、
元通りに組み立て直すのが困難になります。
D金具の付け根革も芯材だけが残って表皮の革は欠損しています。
後面も中央部が大きく膨らんで変形しています。
詰め込み過ぎが原因のようですが、変形した分だけ外周が引っ張られますので、
後面も外周全体が反り返ったように変形しています。
2005年製造で10年以上経過していますので、
内張りに合成皮革が使用された部分は劣化しています。
今回は全体を解体してリニューアルリペア加工を施します。
財布を解体すると多くのパーツで構成されていることがわかります。
バラバラにするのも大変なんですが、
変形した品を組み立てるのは、もっと苦労します。
リニューアルリペア加工の完了です。
合成皮革部は本革で内張り交換して芯材も強化芯材で入れ替えました。
傷みやすい折り曲げ部の擦れもなくなり強化もされています。
外周の反り返りも改善させコバ面も仕上げ直しました。
後面も平らになりD金具の付け根革も作成交換しています。
カブセの変形も改善して全体的に丈夫に復活しています。
変形など難易度が高い状態でしたし加工が難しいモデルだけに、
「特別な思い入れがなければ加工をお勧めできない」、とお伝えしましたが、
リニューアルリペア加工をされたのは正解だったように思います。
手にするだけで頑丈になったことがわかると思いますが、
良い状態を保ち続けるのは丁寧な取り扱いと早めのメンテナンスが肝心です。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索