1995年製のヴィトンの長財布です。
16年ほど前の品で各部にホツレなどが見られますが、現行品とは違う風格があります。
折り曲げ部は四ケ所ともこのようにホツレています。
ぽっかりと口が開いた状態でモノグラム地も欠けて無くなっている部分もあります。
カブセ中央にある真鍮のヴィトンマークですが、輝きがありません。
カブセの外周もニス仕上げの塗料は剥げ落ちて、モノグラム地と革の間の芯材が見えます。
折り曲げ部がこの状態は良くあるのですが、外周のほとんどが塗料の剥がれた状態でした。
外周のニス仕上げを剥がれるたびに修復しておけば財布は長く使用できます。
結局、外周はすべて縫い直しニス仕上げすることにしました。
ヴィトンマーク金具も取り外しています。
必要な個所には補強材を入れ込んで、欠損したモノグラム地も修復しながら組み上げていきます。
ヴィトン製品同様にミシンで縫えばよいのですが、今回は外周すべてを手縫いで仕上げます。
ミシン縫いよりも10倍以上手間暇が必要ですが丈夫に縫い上げることができます。
手前側の糸にミツロウを浸みこませた奥側の糸で縫い直します。
奥側の糸が白く見えるのはロウが固まった部分です。(最後に布で磨けばロウは消えます)
縫い付ける糸もこのように加工することで一層、耐久性があがります。
エルメスでも一部の高価な商品でのみ施される作業です。
(手縫いのエルメスが高価格なのも納得してしまうほどミシン縫いとは差があります。)
くすんでいたヴィトンマークもピカピカに再生して付け直しました。
カブセの外周など、しっかり補修してからニス仕上げをし直してあります。すっきり!
色落ち・汚れ・キズが全体にある内側ですが・・・
あまりピカピカにしてしまうよりこれくらいが良い感じですね!
これまで、何度か修理のご依頼をいただいている方なんですが・・・・
今回もヴィトンのミニポーチの内張りリメイクなど数点、同時にご依頼いただきました。
一度修理をご依頼いただいたお客様から別の修理で再びご依頼いただけることが多いのは、
当社の誇れるところです。
お知り合いをご紹介いただけたりするのも、信頼の証と感謝しています。
お決まりの内張りベタベタ状態です!
ファスナーもベタベタでしたが最高級ファスナーで交換しています。
ミニポーチ修理の様子は下記でご覧下さい。
http://ameblo.jp/brand-doctor-asako/entry-10816754414.html
当社のリニューアルリペアはブランドの新品時よりも手間暇をかけて組み直します。
使用する素材も良い素材を使用しています。
ですから当社の修理は少なからず品質をアップさせて修理が完了します。
しかし、バッグや財布の修理で品質を落とさずに加工する業者は少ないです。
他社やメーカーのことをお話しするつもりはありませんが、
品質にこだわって高価なバッグを購入されたのであれば、ぜひ当社へご依頼ください。
品質など気にもせず、ブランドネームだけでバッグや財布を購入された方の修理は
残念ながらお引き受けすることができないこと、ご容赦ください。
当社は「大切なブランドバッグの修理」だけに全力で挑み続けます。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索