新品のパイソンのトートバッグです。
これは、個人の修理依頼ではなく得意先の高級バッグ専門の商社様からのご依頼品です。
持ち手の付け根が5㎝ほどホツレています。
当社では少し手間暇かけて縫い直しますが、この程度なら、それほど高額な修理ではありません。
しかし、修理はキャンセルされましたので一度、返却いたしました。
数日後、縫い直されたバッグが当社に帰ってきました。
縫い目の間隔(ピッチ)はバラバラですが縫製はされています・・・・
糸を解いてみると縫い穴が多数あり蜂の巣状態で革がきれてしまう寸前です。
持ち手の中にある芯材を挟み込んだままの状態で縫製されていました。
糸の締まりも甘く糸が浮いているのがこの角度から良くわかります。
裏面から見たところですが、見ながらミシン縫いできる表面以上に裏面は糸がグチャグチャです。
このように縫われていると糸を取り除くのも苦労します。
必要ない穴が多数あります。
このままでは綺麗に縫製することはできませんし裂けてくる心配があります。
*長年使い古したバッグや財布を修理される方はある程度理解されていますが、
補強加工などをして芯材を入れ込んだために厚みが増しミシン目が合わなくなったり、
長年使い古したバッグや財布なら変形しているために縫い目が合わない事もあります。
しかし、このバッグは新品ですし、5㎝だけのホツレ修理だったのに・・・残念です。
蜂の巣に開けられた針穴を補修して同間隔で縫製しなおしました。
苦労しましたが、余計な穴も無くなり強度の心配もありません。
裏面もなんとか修正できました。ステッチもスッキリです!
ホームページにも記載していますが、新品の修理を正しく加工できる修理店は少ないです。
修理することでB品がB品のままで良いなら、雑な修理でOK!ですが・・・
高級ブランド品は修理が必要なB品をA品に戻す修理が出来なくてはいけません。
修理店を選ぶ基準として参考にしてください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索