土屋鞄の財布


16年間活用された土屋鞄の財布です。

シミ汚れ、変型、擦れ、欠損、ホツレ、ヤブレなどが見られ重傷です。
重傷なだけなら修復してしまう当社ですが瞬間接着剤を使用されたため、
素材自体が手遅れになった部分があります。

 

 

 


詰め込み過ぎは反省されていましたが取り返しが付かないのは、
瞬間接着剤の使用です。

 

 

 


瞬間接着剤で硬化した革はパキパキと折れるように欠損していきます。

 

 

 


カブセの折り曲げ部も同様に。。。

鞄や財布が瞬間接着剤で修理出来ることはなく、
取り返しが付かない損傷を与えるだけです。

 

 


素材劣化もあり外面の革は諦めます。

 

 

 


複雑な構造の内部材も擦れや汚れやホツレやヤブレが見られます。

 

 

 


内部材の折り曲げ部もボロボロ。

 

 

 


汚れが多量に付いている部分もあり大切にされていた印象はありません。

 

 

 


反対側のマチもホコリやゴミが多量に付着しています。

土屋鞄の財布やホワイトハウスコックスのような財布は、
ご自身で磨き込みながら革を育て上げるのが楽しみの一つです。
メンテナンスしていれば手遅れ状態まで悪化させることはなく、
早めの対策が可能で良い状態を保ちやすいです。

 

 


全体をバラバラに解体してリニューアルリペア加工を施します。

 

 

 


解体。

 

 

 


札入れや小銭入れの中も清掃しながら活用されることをお勧めします。

 

 

 


外面を諦める理由の一つに多数ある丸い染みがあります。

 

 

 


裏側まで染みが浸透している部分もあり、
補修補色加工を施しても染み出てくる可能性があります。

素材劣化や瞬間接着剤の使用もありますので外面は作成交換します。

 

 


内部材にも各部にヤブレがあり素材は劣化しています。

 

 

 


負担が掛かる各ポケットは強化加工を施して組み立て直します。

 

 

 


内部材は出来る限り元の素材のままリニューアルリペア加工の完了です。

 

 

 


Wホック金具も再メッキしてベルトは新品作成。

 

 

 


各部を強化しながら組み立て直しています。

 

 

 


ホツレやヤブレがなくなり構造的には新品時より丈夫に仕上げています。

詰め込み過ぎに注意しながら出来る限り良い状態を保って、
大切に長くご愛用ください。

by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索

(お手紙紹介です)

一針一針に価値が感じられる仕上がりに感謝します。
見え透いた褒め言葉は余りお好きで無さそうなので、
まず お礼を。
ありがとうございました。

 

埼玉県 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
出来る限り良い状態を保ちながら、
大切に長くご愛用ください。