
疲れ果てた様子のエルメス バーキン30 ブルージーン。
柔軟性のある柔らかな素材のバーキンですが自立しないほどクタクタです。

内側に入れ込んで使用しているので傷みが出にくいはずのカブセも同様に。

天部はコバ面だけでなくステッチより上の表皮もスレスレ状態です。![]()

カブセを内側に入れ込んで南京錠をぶら下げていると、
U字型の擦れ傷が発生します。
正しい使い方でないためにヒネリ金具の付け根もグラグラしています。![]()

持ち手は表皮が剥がれた部分に手垢汚れが染み込んで黒く変色しています。

マチと前後部材との縫い合わせ部は負担が大きな部分です。
ホツレも見られますので解体して強化加工を施します。

底面の外周やパイピング革なども含め底角は革の繊維が毛羽立っています。

エルメスのバーキンというよりも、使い込んだ登山靴のつま先のような状態です。

表皮が剥がれた部分が目立ちますが、よく見ると全体的に黒く汚れています。

持ち手の付け根は先端が丸くなるほど擦れて、
コバの塗料も跡形なく剥がれています。

強化芯材を入れ込んで組み立て直すことで強度は新品時よりアップします。
昔の革素材なら芯材を使用しなくても丈夫でしたが・・・・
ブルージーンのバーキンはエルメスの歴史の中では最近の商品ですので、
対策が必要です。

内張りを剥がして金具や持ち手の取り付け部を内側から見たところです。
古い品ですと革が張り合わせてあったのですが白い布テープが使用されています。
ヒネリ金具のグラツキを再生するためには大きく解体しています。
表皮が剥がれた部分は補修して整えなければ塗料を吸い込んでしまい、
染めることができません。

両側のベルトやカブセを外した状態でも自立するようになり、
リニューアルリペア加工の完了です。

他人には持たせられないほど持ち手でしたが、コバ面も仕上げなおして復活。

汚れが目立ち擦れに弱いデリケートなブルージーンのバーキンですが、
綺麗な状態を維持しながら活用できればお洒落でカッコいいバッグです。
街中に連れ出せる状態に復活しましたので、
出来る限り良い状態を保ちながら長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」検索
(お手紙紹介です)
バーキン昨日受け取りました。
新品のような状態で帰ってきてくれて、とても嬉しく思っております。
本当にありがとうございました。
大切に使いたいと思います。
追伸
メンテナンスをお願いしたいバックがまだありますので依頼をさせて頂きたいです。
今は受付停止ですよね?
東京都 S様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
綺麗な状態を維持することが難しいブルージーン色の革ですが、
コーティング加工で耐久性もアップさせています。
残念ながら現在は加工の受付を停止していますが、
再開の折にはご用命ください。
ありがとうございました。













