ルイヴィトン サックシャスール(Sac shaussures )の30と40です。
サックシャンというペット用バッグは現行品にありますが、
こちらは廃盤モデルのボストンバッグ仕様になります。
製造から31年が経過したバッグですが現役で活用されているようです。
この耐久性が本来のルイヴィトンで他のブランドとは比較にならないほど、
圧倒的な強度で作成されていました。
4年後の製品には刻印入りカシメ金具が使用されています。
付け根革は本体が大きいバッグの方が傷んでいますねぇ~。
付け根革と持ち手の付け根は限界を迎えています。
どちらも負担が大きな部分ですので強化加工を施します。
修理修復した痕跡は見当たらないオリジナル状態のバッグですが・・・・
裏面の糸が、こちら側からも見え隠れしてしています。
製造時から縫製ミスがあったようで、裏側のステッチが蛇行しています。
30年ほどの時間が経過していますので、今さら気にする部分でもありませんが、
少し不安な状態です。
本や荷物を入れ雨の日も使用されてきたそうで、
ヌメ革は硬化してテーピング革はボロボロです。
比較的きれいに見える部分も亀裂が見られます。
テーピング革は全体的に交換が必要です。
安心して長く活用するためにリニューアルリペア加工を施しても良い品ですが、
使い込んだ雰囲気を気に入られているとのことですので、
違和感が出ないようにテーピング交換や付け根革などの強化加工を施します。
解体した付け根革に強化芯材とヌメ革をは張り合わせて組み立て直します。
内側は革の繊維が傷んでいますので、
半分の厚みに加工して繊維が粗く傷んだ部分を取り除きます。
傷んだ部分を取り除いた後、強化芯材やヌメ革を張り合わせて強化します。
付け根革と同様に持ち手の付け根も強化芯材と本革を入れ頑丈になりました。
コバ面も仕上げなおしましたのでスッキリです。
ステッチが蛇行して縫い外れそうな部分も、しっかりと縫い直しておきました。
付け根革4か所と持ち手の付け根4か所を強化加工して、
テーピング革も交換の完了です。
全てのテーピング革を交換しましたが使い込んだ雰囲気が気に入られているので、
アンティーク加工で使い込んだ他のパーツと違和感なく仕上げています。
持ち手の付け根も本体側の付け根革も強化した部分は新品時より丈夫です。
デザインのアクセントだけでなく本体をガードする役割があるテーピング革は
消耗パーツと考えるのが正しいです。
30年使い込んだ雰囲気に合わせるためアンティーク加工したテーピング革。
将来的にはバラバラに解体して各部に強化加工を施しながら組み立て直し、
ヌメ革パーツを新品作成するリニューアルリペア加工もお勧めできるバッグです。
これまで頑張ってくれたバッグですし2度と新品購入できない品ですので、
使い込んだ雰囲気を楽しみながら大切にご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
こんにちは
ご連絡が遅くなりましたが
先日、バッグを受け取りました
とてもさっぱりときれいになって嬉しいです
なかなか代わりになるバッグもみつからず、
ヴィトン工場でも古いので修理を断られ、
こちらで修理してもらえて助かりました
またバッグを活躍させていただきます
このバッグはどれも縫い目があまりそろっていなかったようで
目がとんでいたりずれていたり…
手を掛けていただき、もとよりきれいになっています
修理の過程を見て、思っていたよりとても大変そうでした
古くなってもリニューアルリペアができるようなので
またお願いしたいと思います
どうもありがとうございました
埼玉県 N 様
お受け取りのご連絡ありがとうございました。
耐久性やデザインや品質など、
全てにおいて本来のルイヴィトン製品の
あるべき姿が、このバッグに詰まっています。
大切に長くご愛用ください。