ルイヴィトン ダミエの二つ折り長財布です。
長年の使用で擦れや色褪せが見られますが、
他のダミエ財布と比較すると別のものに見えてしまうほどです。
製造年代で色が多少変わることはダミエだけでなくモノグラムにもありますが、
こちらの2点は同じ2008年製造です。
もちろん、どちらも本物のルイヴィトン。
折り曲げ部は重症です。
コバの塗料が剥がれ、糸が擦り切れた段階でメンテナンスしていれば、
重症化することはないのですが、口が空いても使い続けると、
ダミエ地に亀裂が発生してしまい、それでも無視して使い続けると、
ダミエ地がちぎれて欠損してしまいます。
縫い留められていないダミエ地は縮んでしまい
内部材とサイズが合わなくなりますし、
縫い直す部分がちぎれて無くなっていますので縫製も不可能になります。
縫い直すこともできないほど放置すると直営店でも断られてしまいますので、
症状ととしては手遅れです。
しかし、このままでは裏面の赤いキャンバス地が目立って残念すぎます。
出来る限り復元強化加工を施して縫製できる状態に復活させます。
角部にも欠損が見られます。
こちらの角も同様に。。。。
内部材はダミエ地が縮んだ影響などもありダブつきが・・・・
擦れも各部に見られます。
カード入れの裏ポケットは合成皮革の内張りヤブレています。
内張り交換やリニューアルリペア加工を施すのが最善ですが、
今回は折り曲げ部の復元強化加工とコバ面の仕上げ直しと、
内張りのヤブレ部補修のみ加工します。
折り曲げ部には強化芯材を入れて縫製します。
裏面が赤いダミエ地を使用した財布を新品時に見極めるのは困難です。
このように同じダミエでも裏面が茶系ですと表皮がひび割れても目立ちません。
外周のコバ面も赤いキャンバス地が露出。
各部材の接着も剥がれてミルフィーユ状態ですので、
コバ面も接着し直して仕上げ直します。
剥がれていた内張りの部分補修の完了です。
変色したダミエ地に違和感が出ないように苦労しましたが、
折り曲げ部も復元強化加工で強度を上げながら縫製できる状態に復活です。
予定外ですが角部も復活。
外周のコバ面も仕上げ直して赤い色が見えなくなりスッキリです。
ちぎれて欠損した折り曲げ部と外周の赤いキャンバス地が目立ちすぎ、
使いづらい状態でしたが、口が空いたままの折り曲げ部も縫製され、
コバ面が仕上げ直されたことで愛用いただける状態に復活しています。
丁寧に使用しながら早めのメンテナンスを施すようにすれば、
まだまだ活躍してくれる財布です。
一度は修理不可能な状態まで使い込んだ財布であることを考慮しながら、
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索