20年以上前のVUITTONのソミュールです。
現在店頭に並んでいる品とは比べ物にならない素材と丁寧な技術で作成されています。
今回はこのバッグを完全復活させるのですが、まずは各部のチェックと解体です。
外周のテーピング革は硬化してモロモロ状態です。
直営店では部材が無いと断られてしまうセンターベルトもひび割れています。
各部のヌメ革は表面がひび割れています。
モノグラム地の合わせ縫い部分に挟み込まれているパイピング革も
綺麗に見えますが硬化していてパキパキと折れてしまいます。
一目一目糸を切り、糸くずを抜き取り、刻印入り金具も再生できるように、
丁寧に解体していきます。
完全にバラバラ状態です。ヌメ革のパーツは全部作成します。
再度使用する部材です。モノグラム地部分のみです。
現行品のヌメ革とは比べ物にならない革です。
当然フランスの革なめし工房の革ですが高価すぎます。(びっくり価格です)
一流ブランドですら使用できない高価な革を素材にパーツ作成していきます。
ベルトの先部分を革断ち包丁で刻むように形成していきます。
生産工場では抜き型でぬくだけですが、オーダー加工は手作業です。
一品モノ加工には必要な技術なんですが・・・
一つ一つパーツを作成していきます。
金具も再生して組み付けるとモノグラム地まで生き生きとしてきます。
モノグラム地にヌメ革パーツを取り付けるステッチ穴の位置や数まで元どうりです。
余計な穴は増やしていません。(一目一目ステッチ穴の数や位置まで復元です)
いい加減にパーツを縫い付けるとステッチ穴が蜂の巣状態になり本体が破れることが
あるのです。(当社のこだわり部分ですが時間は10倍かかります。)
両サイドのベルトやパイピングにテーピングもできあがりました。
あとはショルダーベルトの組み付けです。
ショルダーの肩あての装着のみオーナー様にお願いしまして、完全復活・復元完了です。
一番上の画像と比べると20年以上の若返りはすごい!
1989年3月にフランスの工房で生産された当時のタグです。
このパーツはこのまま取りつけています。
少しづつ革色が変化していき全体がアメ色になるころもう一度、このバッグに会いたいです。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
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