ヴィトン・タイガラインのウラルです。

横４２㎝ｘ高さ３４㎝ｘマチ幅１８㎝の大きなビジネスバッグです。

底角や外周などに多数の擦れキズが見られますが全体的には綺麗な外観です。

マチは３層構造の複雑な造り込みです。

特にマチ底は負担が大きく破れやすい箇所ですので細心のチェックが必要です。

やはりタイガレザーの表面に亀裂が入っているようですね！

こちらにも亀裂がありますが・・・・・

結局のところ両側のマチ底６か所ともに亀裂がありました。

カブセの付け根付近も負担が大きく切れやすい部分です。

このバッグはカブセの取り付け構造がしっかりとしていますので軽傷ですね！

そして、内側なんですが・・・・

ほとんどの部材が合成皮革素材で作成された内張りでして、すべて劣化しています。

内側のポケットは内側も外側も全て合成皮革ですので張り替えでは無く新規作成交換が必要です。

カブセ裏にはファスナー付きペンケースが取り付けてある複雑構造です。

残念ながらペンケースの内張りも合成皮革なんで解体が必要です。

大きく重いバッグは解体するだけで必死のパッチです。

まだまだ、解体しないと本体と内張りを分離させることはできません。

ペンケースも解体ですが組み立て直すためには本体カブセの解体も必要になります。

合計１８面の内張りを全て本革に交換してベタツキ劣化しない様に品質アップさせます。

本革の内張りは厚みを整え外周はスッキリと仕上がる様に中心より薄く裏面を加工しています。

内側の構造もかなり複雑でかなりの時間と手間暇を費やしました。

普通のバッグの7～8個分の手間暇と材量が必要な内張り交換でした。

初めから判っていた事ですが商売にはならない案件です。

同じバッグで修理するか思案中の方も、しばらくは同じ修理は受けたくありませんのでご容赦くださいね！

内張りが全面本革仕様に生まれ変わり、高級感がありますね～

ベタベタ劣化してくる事は2度とありませんし、補修補色などの修理対応できる素材になりましたので、

見た目以上のメリットがあります。

後ろポケットも本革の内張りです。

ペンケースも完璧です。

マチ底など各部に強化芯材を入れ込んで丈夫に仕上げています。

各部の擦りキズも補修していますので気持ち良くご使用いただけます。

センターのロック金具も簡単に締まらない状態でしたが開閉調整加工を施してあります。

仕事柄、この様なバッグを持ち歩くこととは無縁なんですが、男性なら意味無く憧れてしまうバッグです。

丁寧にご使用になれば一生物と呼べる優れたバッグですので大切にご使用ください。

ｂｙ　レザークリエーション　http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索