1987年3月に生産されたノエです。
25年以上が経過したバッグですから天部外周のテーピング革やショルダー付け根革など
修理メンテナンスを施した形跡が見られます。
ヌメ革パーツは全体的に擦れキズがあり、底角は4か所とも擦り切れて穴が空いています。
このままでも使用は可能で使い込んだ雰囲気に愛着があるとのことで今回は修理しませんが、
モノグラム地に損傷が出る前に対策されるのが賢明です。
ショルダーの付け根革は切れてしまっていますので、このままでは使用できません。
天部のテーピング革はヌメ革ではない素材で交換されているようです。
高品質時代の本来のヴィトンだけに少し残念!
他店にて反対側の付け根を10年近く前に修理されています。
ヌメ革ではなく天部のテーピング革と同じ素材で修理されているようです。(ヤギ革かな?)
使用されている素材は少し残念ですが、修理技術としては超一流の加工が施されていますので
頑丈に仕上がっているようです。
これほどの加工を施せる修理店は多くは存在しません。
しかし、革素材の変更だけでなく刻印入りのカシメ金具は偽物が使用されています。
取り外した本物の金具と比較すると違いは歴然!
高品質な本物のバッグに使用するパーツや素材の選択は重要です。
素晴らしい技術で修理加工されているだけに残念です。
今回、当社で修理する部分は25年が経過した個所ですからヌメ革素材の状態も重症です。
付け根革の復元強化加工の完了です。
内側に芯材を入れるだけでなく裏面にも表面と同じヌメ革を張り合わせていますので頑丈です。
刻印入りカシメ金具を磨き込んで再生していますので、刻印入りカシメ金具も本物のままです。
25年使い続けたバッグに違和感なく修理が完了しました。
古いバッグで各部に損傷がある状態ですがモノグラム地やヌメ革など使用されている素材は一流です。
良いバッグですので出来る限り早い段階で全面的な修理をお勧めします。
大切にご使用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索