エルメスのピコタンです。
可愛いバッグに可愛い音の響きのネーミングです。
馬の餌の一升分が「ボアソ」で、その4分の1が「ピコタン」という、
エルメスらしいネーミングです。
一枚革を切りっぱなしで本体を作成した内張りのないシンプル構造。
底角は表皮が剥がれて革の繊維が露出した擦れが見られます。
こちらの底角も同様に。。。
こちらの底角はワンちゃんが食べてしまいました。
都合良くは食べてくれないのでパイピングや底面も食べられています。
こちらの底角も歯形が見られます。
本体を裏返したところです。
内側の底面は色褪せは少ないですが汚れが全体に見られます。
内側の底面も食べられています。
底角だけでなくパイピングや底面や内部材など多数の修復が必要です。
数種類の修理方法を提案させていただきましたが、
今回は本体の片面を代用革で作成交換する方向で御依頼いただきました。
パイピング革は部分的に作製します。
内部材も部分的に作成しながら底面は強化加工を施しながら修復します。
大きな穴が空いて使用不可能でしたが復活です。
パイピング革も問題なく復活しています。
外面全体に見られた小傷や色褪せも改善しました。
天部口周りや持ち手のコバ面も仕上げ直して、
汚れが見られた内側の底面も清掃しておきました。
活用不可能な状態でしたが問題なく愛用いただける状態に復活しました。
不思議と良い革が使用されたバッグや財布ほど食べられやすいので、
注意が必要です。
大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索