
GHURKAのNo.32 Trekkerです。
1980年代のバッグであることを考えると綺麗に見えますが、
30年以上が経過した年代物ですので各部に素材劣化が見られます。

金具には錆や変色が見られますが負担が掛かる付け根革や持ち手は、
使用に耐えられる状態です。

傷みやすいポケットのベロ革も大丈夫そうな感じです。
革が薄いテーピング革は柔軟性が低下していますので、
解体すれば指先で切れてしまう強度だと思われます。

持ち手ホックの変色を気にされているとのことで再生します。

マチ天部は折れ曲がるだけでなくファスナースライダーも擦れるので、
傷みやすい部分です。

接着材を使用した形跡があるテーピング革は作製交換します。

内側の底板はステッチの擦切れや底鋲の裏金具には錆や腐食が見られ、
布地にも錆が色移りしています。
また、底板の芯材はバキバキに折れているようで交換が必要です。

外面の底板も芯材が劣化していますので交換します。
5箇所の底鋲がサビサビで本体にも錆が色移りしています。

芯材交換のために底鋲を取り外しました。
元の底鋲を使用したいのですが錆や腐食が激しく一工夫必要です。

底板は縫製糸が残っている部分も簡単に剥がれてしまうほど、
縫製糸が劣化しています。

経年劣化で硬化した底板はバキバキです。

内側も外側も底板はバキバキ。

底面の布地も亀裂が多数見られます。
厚みがある布地ですが劣化していますので指先で切ることができる状態。
このタイミングで芯材交換は最後のチャンスだったかもしれません。

この辺りも同様に。。。
予定外ですが切れた部分は補強加工を施し芯材交換します。

本体側も縫い込まれていた部分にも亀裂が見られます。

こちらも同様に。。。
予定外ですが補強加工を施して組み立てます。

マチのテーピング革を取り外しました。

裂けていたのはテーピング革だけでなく本体も裂けていました。
こちらも予定外ですが補強してからテーピング交換します。

持ち手のホック金具を解体。

サビサビの底鋲は洗浄しただけですと黒いままですが、
出来る限り研磨してみました。研磨しても腐食の傷が深いです。

布地に色移りした錆も出来る限り取除きましたが取れません。

布地劣化だけでなく錆が色移りした部分は硬化していて、
折り曲げるだけで裂けてしまいそうです。
底鋲を取り付けても錆が見えますし強度も心配なので少し工夫します。

裂けた部分を強化しながらテーピング交換完了。

バッグの雰囲気に合うようにアンティークメッキで仕上げて再生。

底板の心材を交換して組み立て完了です。

底鋲と布地の間に革パーツを挟み込み錆汚れを隠しながら強化しました。
サビサビに腐食していた底鋲もアンティークメッキで復活です。

内側も同様に。。。

予定外の加工が多くなりましたが製造年代を考えると素材劣化は、
避けようがありません。
見た目の美しさとは裏腹に年代なりの強度低下は各部にありますが、
当時のグルカにしかない雰囲気を保っていますので魅力的です。
年代物ですので労るように活用しながら大切に長くご愛用ください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索
(お手紙紹介です)
お世話になっております。
〇〇です。
鞄確認致しました。
大変綺麗に仕上げていただき本当にありがとうございます。
お気持ちのお品もありがとうございます。
またブログも大変興味深く何度も何度も読ませていただきました。
実はグルカのツイル生地には年代によって劣化に対する耐性?に差があるらしく、
他の年代はどうなのだろうと興味がわきました。
今回修理いただいた鞄は大事に使わせていただきます。
また修理等必要な事になれば是非お願いさせていただければと思います。
宜しくお願いします。
東京都 T 様
お受け取りのご連絡ありがとうございます。
古いグルカでしか味わえない雰囲気があり、
ヴィンテージのグルカはお洒落ですし使いやすいバッグです。
出来る限り良い状態を保ちながら大切にご愛用ください。