ルイヴィトンのガマ口財布です。
2000年5月にスペインの工房で作成された財布です。
この年代の財布はフランスよりスペインの方が出来栄えが良くgood!です。
長年のご使用で折り曲げ部は亀裂があり、モノグラム地が欠損しています。
コバの塗料が剥がれた段階で塗料を塗り直しておけば最良で、
縫製糸がホツレた時点でも手遅れではなく修理価格も抑えられます。
しかし、塗料が剥がれ、糸がホツレ、口が空き、モノグラム地が縮み、亀裂が入り・・・・
それでも、無視して使い続けるとモノグラム地がちぎれて無くなります。
札入れ側の折り曲げ部も大きく口が空いた状態で、
縫い止められていないためにモノグラム地が縮んで内側の革とサイズが合わない状態です。
合成皮革の内張りは劣化して剥離した部分が見られます。
対面のカードで擦れた傷です。
カード類が多い昨今ですが使用頻度の少ないカードは別にされる方がよいです。
メンテナンスのタイミングは少し遅いのですが基本的に丁寧な使い方です。
13年のご使用で、この程度の擦れ傷は仕方ありませんね!
今後も長くご使用いただけるようにリニューアルリペア加工を施します。
いつものように解体からスタートです。
口金金具を取り外して解体した小銭入れの中は小銭の汚れが染み込んでいます。
ポケットの天部の縫い合わせ部分に小さな亀裂が見られます。
各ポケットの天部縫い合わせ箇所は負担が大きく破れやすい部分ですので、
強化加工を施して組み立て直します。
ホックも取り外してモノグラム地を強化したあと元通りに付け直します。
リニューアルリペア加工の完成です。
合成皮革素材は本革仕様になり折り曲げ部や各ポケットなど強化して、
組み立て直しています。
小傷や汚れなども補修し、外周などコバ面も全て仕上げ直してあります。
すべて元通りというより、強度をアップさせながら品質もアップしています。
使用すれば直ぐに汚れてしまう小銭入れですがクリーニングしてますので、
気持ちよくご使用いただけます。
ベロ革は傷みやすい部分ですが縫製もコバ面もスッキリでマークもピカッと!
亀裂や欠損で損傷の激しかった折り曲げ部も復元強化加工で頑丈です。
修理前の一枚目の画像は型崩れやホツレもあり、お疲れモードでしたが、
各部の強度アップで疲労回復したようです。
大切にご使用になれば、これから10年以上良い状態で使用できますので、
これまで同様、丁寧に活用し早めのメンテナンスを心がけるようにしてください。
by レザークリエーション http://www.brand-repair.com 「大切なブランドバッグ」で検索